2025年6月12日

狂犬病 東ティモール

● エンテロウイルス 台湾、Echovirus 11
Summary
2025年、新生児を中心として懸念すべき重症エンテロウイルス感染症の増加がみられる。保健当局者は、特にエコーウイルス11を注視しており、出産前後に感染し深刻な結果となる可能性がある。

● レプトスピラ症 インド、フィリピン(2件)
インド (KERALA)
Summary
ケララ州において、近年感染と死亡が増加するレプトスピラ症が深刻で継続的な保健衛生上の懸念となっている。すでに雨期に限定されなくなっている。診断が困難であることが依然として問題である。さらに集中治療が可能な施設と予防対策の遵守も問題となっている。環境からの感染リスクの除去は困難であると説明されている。

フィリピン (NEGROS OCCIDENTAL) 
Summary
今年3例目のレプトスピラ症による死亡が報告された。河川で泳いだティーンエージャであった。

● 狂犬病 東ティモール
Summary
東ティモールで発生中の狂犬病アウトブレイクに関するフォローアップ報告。
2024年2月に開始した今回のアウトブレイクは狂犬病ウイルスが原因である。

 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2025年6月10日
Timor-Leste - Rabies virus (Inf. with) - Follow up report 
Started: 28 Feb 2024
Reason for notification: First occurrence in the country
Disease: Rabies virus (Inf. with)
Causal agent: Rabies virus
Genotype/serotype/subtype: RABV
Event status: Ongoing
Quantitative data summary
Species / Susceptible / Cases / Deaths / Killed and disposed of / Slaughtered or killed for commercial use / Vaccinated
イヌ Dogs (domestic) / - / 99 / 42 / 57 / - / 7334
ヤギ Goats (domestic) / - / 2 / 2 / - / - / 0
ブタ Swine (domestic) / - / 1 / - / 1 / - / -
All species / - / 102 / 44 / 58 / - / 7334
Epidemiological comments
東ティモール民主共和国 The Democratic Republic of Timor-Leste (Timor-Leste) は東南アジアに位置し、the eastern half of the island of Timor, the nearby islands of Atauro and Jaco, and Ambeno/Oecusse, an enclave on the north-western side of the island, within Indonesian West Timor から成り立っており、面積は 15 410 km2 で、 administratively divided in 13 municipalities, 65 administrative posts and 450 villages から構成されている。周囲 a total perimeter of 934 km (580.3 mi) で、インドネシアと a 228 km (141.6 mi) land border with Indonesia (Kupang-West Timor) の国境で接し、残りは海岸線である。熱帯高温乾/湿気候 tropical hot and dry/humid で、12月から6月までの雨期と、7月から11月までの乾期に分けられる。全土に十分な降水量がある。
野生動物とペットに関するデータは少ない。
狂犬病が発生したのは Oecusse Municipality であり、22件のイヌ咬傷患者があり、ヒトを襲ったあとに死亡した6頭のイヌの検査 Rapid Bionote test が陽性となった。
Oecusse municipality で1名が死亡した。
Timor Leste strategic plan に従い、ワクチン接種キャンペーン vaccination campaigns in areas of high risk (e.g., Bobonaro, Covalima, Oecusse and Dili municipalities) などが実施された。
2024年3月までの東ティモールにおいて、Dili の国立病院に入院し死亡するイヌ咬傷後の脳炎患者はまれであった。今回のケースでは幼い男児がイヌに襲われ、イヌは殺傷された。献体が獣医学診断研究所 Veterinary Diagnostic Laboratory in Dili に送られ、RABV rapid Bionote test で陽性であることが確認された。確認検査として、Australian Centre Disease Preparedness (ACDP) in Melbourne-Geelong に送られた検体: fresh brain(脳組織)x3, fixed brain(脳固定検体)2/3x3, swabs(スワブ)x4, fluid(液状検体)x2 である。
行われた検査: Lyssavirus Antigen-Fluorescent Antibody Test, Lyssavirus RT-PCR (including Rabies), Pan- Lyssavirus (N gene)-TaqMan Assay, Rabies Virus-TaqMan Assay. All confirmatory results were consistently positive for rabies.

● コレラ ケニア (TURKANA) 
Summary
Kakuma においてコレラ・アウトブレイクが報告されており、郡緊急対応チームが対応に当たっている。

● 麻疹 米国 (IOWA, MICHIGAN, COLORADO)
Summary
複数の地域で確認された麻疹感染例について報告する。
アイオワ州でワクチンを接種した1名の感染があり、ワクチン不全が疑われている。
ミシガン州の1例の患者による曝露の可能性について注意が呼びかけられた。
コロラド州の新たな感染例は空港との関連の可能性があり、小児の感染も確認された。

● サルモネラ感染症 カナダ (ALBERTA, ONTARIO)
Summary
サルモネラ感染症アウトブレイクが、特定業者が製造したサラミ Genoa salami の摂取が関連していたため、一部商品が回収されている。

● エムポックス ケニア
Summary
初発地域を越え、複数の地域 multiple counties においてエムポックス・アウトブレイクが発生しており、保健当局が患者の追跡や治療提供を行っている。

● 食中毒 インド (TAMIL NADU)
Summary
Tamil Nadu 州の宗教行事のあと、多数の参加者が食中毒により入院した。腹痛と嘔吐の症状がある。提供された食事や水が汚染されていた疑いがある。

● A型肝炎 英国: TWO CLUSTERS, 2021-25
Summary
英国保健当局が2件の A型肝炎のクラスターの感染源について調査を行っている。1件目は、調査が行われている、スーパーマーケットの特定の食品が感染源として疑われている。

● ボツリヌス食中毒 米国
Summary
ボツリヌス菌による汚染の疑いがあるとして、P. East Trading 社が自社の塩蔵燻製魚食品 its Salted Smoked Split Herring の回収を行っている。カナダから輸入されたこの食品の製造行程に不備があり、ボツリヌス毒による汚染リスクが高いと判断された。ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット各州で購入した消費者に対し、摂取しないよう呼びかけられている。

● ボツリヌス症 米国 (MASSACHUSETTS) 
Summary
Milton のスパにおけるボトックス注射に関連する、ボツリヌス症のクラスターについての調査が行われている。医原性ボツリヌス症が疑われている。スパのオーナーはエステティシャンの免許が有しているが、スパで医療行為を行う場合は医療従事者またその管理下で行う必要がある。

● アナプラズマ症 ロシア (MOSCOW REGION)
Summary
モスクワでダニの刺咬により多数の人々がアナプラズマ症に感染している。インフルエンザ様症状がみられ、抗生物質により治療が行われる。同地域はこれまで感染のハイリスクエリアではないとされてきたが、気温の上昇によりダニがこの疾患を保有するようになった。またダニ刺咬でボレリア症やライム病と診断される例があり、医療機関の受診する患者が増えている。現時点で感染率は前年より低いが、懸念される。

● アフリカ豚熱 ブータン (TSIRANG DZONGKHAG)
Summary
Pangthang village, Tsirang Dzongkhag, Bhutan において、アフリカ豚熱アウトブレイクに関する注意喚起が行われている。

● 鳥インフルエンザ 日本 HPAI H5N1
Summary
日本における、野鳥などの家きん以外の高病原性鳥インフルエンザアウトブレイクに関するフォローアップ報告。排除されたと考えられていたが再興した the H5N1 virus による。

● カキの病気、PERKINSUS カナダ (NEWFOUNDLAND AND LABRADOR)
Summary
Newfoundland and Labrador において、カキに感染する寄生虫疾患の Dermo disease が確認され、国内の他州に続く the first instance of the disease in the region となった。公衆衛生上の脅威はないが、カキの死滅や成長の遅れなどの影響がある。