2025年6月7日

麻疹 米国、ボリビア、カナダ、英国

● 麻疹 米国、ボリビア、カナダ、英国(4件)
米国
Summary
2025年、多数の地域から麻疹が報告されている。CDC がアウトブレイクの追跡と確定例の報告を行っている。患者の大部分がワクチンを接種していないまたは接種歴不明の患者である。一部が入院し、死亡例も発生している。

ボリビア (SANTA CRUZ) 
Summary
The Santa Cruz Departmental Health Service 保健当局が麻疹アウトブレイクの発生を受けて警報を発出した。

カナダ
Summary
カナダ国内の麻疹と風疹の週あたりの感染状況を報告する。今年の累積とともに、直近の週に新たに報告された症例数が報告されている。風疹は報告されていない。カナダ国内で渡航関連の輸入例が発端となった麻疹流行は現在起きていない。

英国 (ENGLAND)
Summary
2025年初に麻疹の増加が確認され、多くが10歳未満の小児の感染例がであったが、より年長の患者も一定程度発生している。ロンドンがもっとも多くの患者を報告し、次いで the South West and East of England が続いている。最近のデータで活動性の継続が示されており、先月は London and the North West で多くの患者が確認されている。

● ビブリオ菌感染症 バングラデシュ
VIBRIO CHOLERAE, NON-O1, NON-O139 - BANGLADESH: O47, CHOLERA-LIKE OUTBREAK
Summary
バングラデシュにおけるコレラ様アウトブレイクに関連し、新たな種類のビブリオ菌が発見されたので報告する。O1 型コレラ菌によるコレラ患者の増加と並行してアウトブレイクが発生した。これらの O47型菌の分離株は、遺伝学的相同性があり、多剤耐性及び特異的遺伝学的特徴などのユニークな特徴を有していた。これらの所見から、この O47型菌は新興病原体となり、感染拡大につながり抗生物質耐性を示す可能性が示唆された。非 O1型コレラ菌に注目する必要性が示された。

● リケッチア感染症 メキシコ (COAHUILA) 
Summary
Coahuila のティーンエージャー1名がリケッチア感染症により死亡した。当初は重症のシラミ寄生症として治療されていたが、リケッチア感染症を続発し、治療にかかわらず悪化し死亡した。

● エムポックス フィリピン (DAVAO)
Summary
ダバオにおいて、複数の HIV 感染の患者がエムポックス検査で陽性となった。重複感染は危険な性行動にリンクしていると保健当局者が述べた。

● サルモネラ感染症 ドイツ、オーストリア
Summary
ドイツとオーストリアの当局が、幼児を中心とするサルモネラ感染症について調査を行っている。dm drogerie markt で販売されていた有機カシューバターとの関係が疑われている。同製品は回収されているが、欧州内の他国でも流通している。

● ボツリヌス症 米国 (MASSACHUSETTS) 
Summary
マサチューセッツ州公衆衛生当局は、ボトックス注射に関連するボツリヌス症が疑われる the South Shore の症例について調査を行っている。保健当局は医療機関に対して、不適切な注入により重篤な合併症のリスクが高まるとして、ボトックス注射後のボツリヌス症の症状の周知を行っている。初期症状として視覚と発語の障害や、呼吸困難等がある。アンチトキシン(抗毒素)による治療があり、早期に投与されることでもっとも有効である。

● 腸管出血性大腸菌 EHEC、リステリア症 欧州
Summary
2023年、欧州において記録的多数の腸管出血性大腸菌 EHECとリステリア症感染が発生した。EHEC の増加の一因は、より鋭敏な診断検査がある。EHEC は基本的に感染源から伝播され、重症化するおそれがある。リステリア症は重篤な合併症を伴うが、高齢者、妊娠女性、新生児、免疫不全の患者を中心に、同じく記録的な症例数となった。

● 口蹄疫 マレーシア (KEDAH) 
Summary
イスラム教の行事を前に、Kedah の家畜の自由な移動が許可されているが、 within the Ulu Melaka area of Langkawi は除外されている。この地域は口蹄疫への対応中で、移動禁止措置が行われている。

● 伝染性潰瘍症候群、魚類 ガーナ (WESTERN) 
Summary
the Ellembelle District では魚類の疾患のアウトブレイクにより、水産当局が現在漁業禁止を命じている。