2025年8月26日

コレラ チャド
COVID-19 日本、英国、カナダ

● コレラ チャド (OUADDAI, SILA) 
Summary
コレラ・アウトブレイクがチャドの難民キャンプとその周辺のコミュニティに拡がっている。衛生的な環境と安全な飲料水の欠如に加えて、スーダンからの大量の難民流入より、アウトブレイクの状況は悪化している。

● COVID-19 日本、英国、カナダ
Summary
日本全国で COVID-19 の活動性が高まっている。英国ではウイルス検査の入院患者(の検査陽性率)が上昇している。カナダで、特定の変異株を対象とする新たなモデルナワクチン Moderna's updated COVID-19 vaccine の、生後6か月以降への使用が承認された。

[1] 日本 Japan: COVID-19 cases in several prefectures increase for the 9th straight week
 情報源 The Asahi Shimbun 2025年8月23日
厚労省が新たな2万2288例 new COVID-19 cases for the week to 17 Aug 2025 を報告し、9週連続の増加が確認された。指定医療機関あたりの新規感染者数は平均6.3例となり、前週の6.13例からの増加となった。2024年の同時期は8.5例だった。
最も報告数が多かったのは宮崎県の14.74例、次いで鹿児島県の12.63例でいずれも九州地方である。このほかの報告数が多い地域は、埼玉県が11.52例、茨城県が10.87例、秋田県が10.71例となっている。大都市圏では、東京都が3.61例、愛知県が10.25例、大阪府が3.38例、福岡県が7.01例となっている。
COVID-19 infections は、夏季と冬季に増加する傾向にある。平均発生数は2024年7月後半に 14.58 例でピークとなった後減少していたが、2024年12月から2025年1月にかけて増加した。ふたたび減少し、2025年5月には1未満となっていた。
サーベイランス the Japan Institute for Health Security genome surveillance によると、2025年7月の新規感染例のうち、28% of the new cases が the nimbus strain による患者だった。The World Health Organization は nimbus を a "variant under monitoring(注視する変異株)" に指定しているが、他の変異株に比べて重症化するとの証拠はない。
[2] 英国 UK: New COVID wave warning as cases in hospital patients soar by 31% in a fortnight
 情報源 The Independent 2025年8月20日
入院患者のうち COVID cases が2週間で約1/3増加し、a new COVID wave が懸念されている。呼吸症状があり、ウイルス検査陽性となった入院患者の割合が、from 5.8% on 26 July to 7.6% on 10 Aug 2025 に上昇したと保健当局 the UK Health Security Agency (UKHSA) が明らかにした。わずか15日間で an increase of 31% in just 15 days となる。陽性率 the positivity rate とよばれ、市民と比較して入院患者では高率となる。入院患者の増加は、国内で新たな感染の波が発生していることの指標となり得る。
休暇が終わり人々が仕事や学校に戻り、気候が涼しくなることに加え、新たな変異株の発生と秋期の無料ワクチンの提供が制限されることなどが懸念されている。
Although this spike of 7.6% is still lower than it was for most of the pandemic, it's much higher than it was in January [2025] when it was 2.2%.
2024年7月は 16.6%、10月は14.6% であった。
ワクチン The COVID vaccine は例年 the NHS において、特に感染予防が必要な人々に対して in spring and early winter に提供されてきた。
しかし2025年は追加接種の対象者が約1300万人減らされる。政府当局は65歳から74歳の年金受給者への接種を取りやめ、また妊婦と慢性の心疾患と肝疾患の患者に対しても提供を行わない。
2025年秋にワクチンが提供されるのは、75歳以上の成人、ケアホームの高齢の居住者と、生後6か月以上の免疫が低下している患者である。
[3] カナダ Canada: Moderna's updated COVID-19 vaccine gets Canadian approval
 情報源 World Pharmaceutical Frontiers 2025年8月25日
Moderna has secured approval from Health Canada for Spikevax, its updated COVID-19 mRNA vaccine, which targets the SARS-CoV-2 LP.8.1 variant.
This vaccine is authorised for individuals aged 6 months and above.

● 日本脳炎 ネパール
Summary
蚊族媒介性の脳ウイルス感染症により、the Nawalpur district において1名の死亡とほか複数の感染患者が発生した。モンスーンの季節となり蚊族の個体数増加により、感染が拡大することが懸念されている。治療法はなく、感染から回復しても長期間の神経学的合併症をきたすこともある。

● デング熱 台湾 (KAOHSIUNG)
Summary
台湾保健当局が、国内のデング熱クラスターの発生について発表した。症例間に関連性があり、コミュニティ内でのアウトブレイクと考えられている。

● 原発性アメーバ性髄膜脳炎 中国 (FUJIAN) 
Summary
福建省の幼い女児1名が、温泉浴 a hot spring bath 後に脳食い寄生虫に感染し死亡した。直後に発症し入院となり、寄生虫検査で陽性が確認された。治療を受けたが死亡した。記事には、これは弧発の事例ではないことが強調され、皮膚または鼻腔からヒトに感染する可能性があり、死亡の可能性のある重症の症状が発症すると指摘されている。

● サルモネラ感染症 スペイン (MURCIA) 
Summary
スペインの4つ星ホテルでサルモネラ感染症とみられるアウトブレイクの発生が確認され、小児を含む多数の宿泊客が体調を崩した。症状として、嘔気、嘔吐、下痢、発熱がみられている。感染源の調査が行われており、ホテルのキッチンは閉鎖されている。

● 食中毒 インド (ODISHA)
Summary
Odisha, India 州のある村で、複数の人々が食中毒とみられる症状で死亡し、ほかにも入院患者が発生した。食事が出されたコミュニティの集まり a community feast のあとに発生し、当局による調査で食品や水の汚染が感染源とみられている。

● チクングニア シンガポール
Summary
蚊族が媒介するチクングニア感染症が、シンガポールを含む世界中で増加している。増加には、特定の蚊族の存在、渡航関連のウイルスの持ち込み、気候変動などの要素が関与している。特異的治療法はないが、蚊族の刺咬を避けることが感染予防策となる。専門家は、デング熱とチクングニアのアウトブレイクの同時発生の可能性を指摘している。

● マラリア ポルトガル(LISBON) 、アンゴラから
Summary
ポルトガルの生後3か月の乳児の先天性マラリア感染例 case of congenital malaria について報告する。発熱などの症状で受診したこの乳児は、検査でマラリア原虫が確認された。母親が以前にマラリアの治療を受けていた。マラリア常在地の母親が出産した新生児では、先天性マラリアについて検討することの重要性が改めて認識された。また感染伝播の保有患者となり得る低レベルの感染でも診断可能な鋭敏な検査の必要も強調されている。

● インフルエンザ 中国 (HONG KONG)
Summary
香港保健当局が新学期開始にあわせて学校に対し、呼吸器感染症と手足口病の増加に備えるよう注意を呼びかけている。生徒らに確実にインフルエンザワクチンを接種するよう、保護者らに勧めている。

●  サトウキビ、ポテトの病気、STOLBUR DISEASES オーストリア
Summary
サトウキビとポテトに新たな脅威が生じている。オーストリア農業当局は、疾患の昆虫ベクターの監視などの予防策を実施している。

● アフリカ豚熱 ベトナム (QUANG NINH)
Summary
Van Don Special Zone において、1か所の村のアフリカ豚熱アウトブレイクの発生が宣言され a threatened area and a buffer zone が設置された。

● 狂犬病 タイ
Summary
This is a follow-up report regarding the recurrence of rabies in Thailand. The disease is ongoing and is being monitored through clinical and laboratory diagnoses. The source of the infection is contact with infected animals.