2025年8月28日

チクングニア フランス
サルモネラ感染症 カナリア諸島

◯ チクングニア フランス
Summary
フランス本土でのチクングニア感染例が増加しているが、これは主に多数の輸入感染例によるもので、ほとんどがレユニオンからの症例であり、これにヒトスジシマカの繁殖のための好条件が加わっている。2025年8月下旬には200例以上の地域内感染例が国内各地で確認されており、この中には Grand Est などの北部も含まれている。
Key findings
・2025年8月、フランス本土の複数の地域で、チクングニア地域内感染伝播が確認された。
・Dordogne (Nouvelle-Aquitaine) 地方では、15例の地域内感染例 autochthonous (locally acquired) cases in Bergerac, concentrated in the Costes neighborhood が確認。
・Bourgogne-Franche-Comté 地方では、5例 five cases in the Maladière district of Dijon between 08 and 25 Aug 2025 が確認。
・Isère (Auvergne-Rhône-Alpes) 地方では、14例 locally acquired cases were reported in 2025, including nine in Gières and five in Claix が確認され、6例の疑い例 additional suspected cases in Gières が調査中。
・確認された症例はすべて最近の国外渡航歴なし。

● サルモネラ感染症 カナリア諸島
Summary
the island of Gran Canaria の病院において、食中毒アウトブレイクが病院食に関係していた。

 情報源 Food Safety News 2025年8月26日
Hospital food linked to [salmonellosis] outbreak
Gran Canaria の複数の病院に提供された食事が関係するサルモネラ感染症アウトブレイク A [salmonellosis] outbreak により 17人が発病した。保健省 The Ministry of Health は 9 patients が Gran Canaria University Hospital で、8人が the Hospital Juan Carlos I において治療中であると発表した。
Gran Canaria is one of the Canary Islands.
公衆衛生当局の責任者 The General Directorate of Public Health of the Canary Islands は当初、患者は11人と発表していた。3人の患者はすでに退院となり、ほか7人も食中毒の症状は完治したが他の疾患のため入院中となっている。
食品のサンプルと患者からの検体の解析が開始されている。
2病院に食事を提供した給食施設 The hospital kitchen service は食中毒の原因である疑いがあるため配食を中止している。

● 類鼻疽、レプトスピラ症 台湾
Summary
新たな類鼻疽およびレプトスピラ症の国内感染例について、台湾保健当局が報告した。類鼻疽が発生したのは北部と南部で、多くが慢性疾患のある患者だった。レプトスピラ症も多くの地域から報告されており、一部の患者で汚泥との接触、森林や農地での作業、野生動物に近い居住地が確認されている。

● マラリア インド (MIZORAM)
Summary
Mizoram 州では今年も死者が報告されており、依然としてマラリアが深刻な健康上の懸念となっている。国境および州境付近を中心に感染が発生している。州内ではデング熱の発生もあり、過去数年間、感染と死亡が報告されている。

●◯ ビブリオ・バルニフィカス感染症 米国 (FLORIDA)
Summary
フロリダ州で、ビブリオ・バルニフィカス感染症の症例が増加している。高い水温の汽水中に存在するこの細菌には、生もしくは加熱不十分なシーフードの摂取または開放創が水に触れることにより感染する。感染により急速な組織障害や死亡につながるおそれがある。何らかの持病がある場合、よりリスクが高くなる。

Summary
2023年、米国 CDC は、1988年以降の東部を中心とするビブリオ症感染例の増加に関し、以下の内容を含む注意喚起を発出した。
"V. vulnificus infections in the Eastern United States increased eightfold from 1988–2018, and the northern geographic range of infections has increased 48 km per year."

● シガテラ魚食中毒 フィリピン(ILOILO)
Summary
a town in the Philippines において、現地マーケットで購入した barracuda を食べたグループの人々が体調を崩した。原因を調査した保健当局は、シガテラ魚食中毒  ciguatera fish poisoning が疑われている。 toxin analysis のため検体が提出されており、住民には結果が判明するまで barracuda を食べないようアドバイスされている。サンゴ礁の大型の肉食魚類 large predatory reef fish の摂取はリスクがあるため、より安全な魚を食べるようアドバイスされている。

● ラッサ熱 ナイジェリア
Summary
2025年のラッサ熱発生状況について保健当局 the Nigeria Centre for Disease Control and Prevention (NCDC) が報告し、前週に比べて新規感染例が減少したことが明らかになった。

● レジオネラ症 カナダ (ONTARIO) 
Summary
London において、レジオネラ肺炎アウトブレイクが再燃し、精肉工場が感染源として疑われている。終息が宣言されていたが、新たな感染例が発生した。複数の冷却塔で同菌が確認され、アウトブレイクの原因菌と精肉工場との関連性が検査で示された。

● 腸管出血性大腸菌 EHEC ベルギー
Summary
Leuven のケアホームで危険な細菌感染症アウトブレイクが発生した。同菌により、特に脆弱な人々は重篤な疾患を発症する可能性がある。食品の汚染が疑われており、発症した居住者らの観察が行われている。

●◯ デング熱 インド (DELHI)、ベトナム
インド
Summary
Delhi はベクター媒介性疾患への対応が準備されている。市当局は広範囲で、モニター強化と殺虫剤噴霧を行っている。

ベトナム
Summary
ホーチミン市のデング熱症例数は、2025年8月中旬までに2万5578例に達し、7月からは78%増加して昨年の年間患者数の3倍を超え、15例の死亡が報告されている。

● ペスト モンゴル
Summary
ウランバートルにおける腺ペスト注意喚起が環境警察局から発出された。死亡したマーモットが発見されたことへの対応で、チェックポイントでの感染拡大防止が行われており、多くの地区 many administrative subdivisions がリスク地域と考えられている。腺ペストはげっ歯類に付くノミにより伝播される細菌感染症で、未治療の場合は死亡することがある。

◯ 原発性アメーバ性髄膜脳炎 インド
Summary
ケララ州 Kozhikode, Kerala で原発性アメーバ性髄膜脳炎クラスターが報告されており、9歳女児が死亡している。専門家は増加の要因は、検査が改良され、汚染や気候変動などの環境問題があり、医療従事者がスクリーニング件数を増やしたこととしている。

 情報源 Directorate of Health Services, Kerala. State Surveillance Unit. Communicable Diseases Daily Report. 26 Aug 2025

● ランピースキン病 パキスタン (PUNJAB) 
Summary
the Rahim Yar Khan district and surrounding areas のウシの間でランピースキン病の感染が拡大し、有痛性の皮膚腫瘤、発熱、泌乳量の低下の原因となっている。パキスタンでは2022年にはじめて確認されたが、政府からのワクチン供給がないため農家に影響が出ている。

● 口蹄疫 インドネシア
Summary
インドネシアは世界動物衛生機関 the World Organisation for Animal Health (WOAH) に対し、国内の特定ゾーン specific zones については、ワクチンを使用することなく口蹄疫清浄状態であることを認証するよう求めている。

● 東部ウマ脳炎 米国 (MISSISSIPPI, NEW YORK)
Summary
複数の場所でウマの東部ウマ脳炎感染例が確認されている。蚊族により伝播されるウイルスで重症化する可能性がある。ウマのワクチン接種があり、推奨されている。