ウエストナイルウイルス スイス
〇 ウエストナイルウイルス スイス
Summary
Canton Ticino において2025年12月、スイス国内初のヒトのウエストナイルウイルス地域内感染例が報告された。これまでは旅行者らの輸入感染例の報告のみであった同国内への疫学上の大きな変化となっている。
2022年8月以降、3年間にわたって昆虫学的調査において、複数の地域の蚊族の間で広く同ウイルスの感染循環が確認されていたことに続いて起こった事例であり、地域内のベクターと鳥類の保有種間の感染伝播サイクルが確立されたことを意味する。
Switzerland reports its first autochthonous West Nile virus (WNV) case confirmed in Ticino, after three years of vector surveillance
情報源 First native case of West Nile virus in Ticino. Ticinonline/Department of Health and Social Affairs of the Canton (DSS). 04 Dec 2025 (in Italian)
Key findings
・スイス国内初のヒトのウエストナイルウイルス地域内感染例 its first autochthonous (locally acquired) human case of West Nile virus infection が Canton Ticino on 04 Dec 2025 において確認された。2006年以降に確認されていたのは、輸入感染例の6例のみであった。
・2022年8月にはじめて蚊族 mosquitoes in Canton Ticino、eight of 12 sampling sites across multiple districts, including Bellinzona, Mendrisio, and Lugano において、ウエストナイルウイルス West Nile virus lineage two が確認されてから3年後に今回の症例が確認された。
〇 百日咳 米国
Summary
2020年から2023年までのきわめて活動性が低い時期のあと、2024年に米国内で百日咳が急増しパンデミック前の2019年を上回った。2024年11月以降、一部の地域では減少がみられているものの、2025年も症例数は高止まりしている。
486 pertussis cases reported in Arkansas, USA, in 2025, marking the largest increase in two decades
情報源 Arkansas Department of Health. Pertussis (whooping cough) bi-weekly report. 02 Dec 2025
Key findings
・As of 02 Dec 2025, アーカンソー Arkansas 州で486例の百日咳 pertussis cases が報告されており、2013年以降最多の年間累積患者数を記録し、15年間の調査期間では2番目に多い年となっている。2023年の38例から12.8倍に増え、過去20年間でもっとも大きな増加となった。
・2024年から急増し、2025年に入っても増加が続いている。年間40例未満であった2020-2023年の4年連続の超低活動期が終了した。
・乳児と幼児が大きな部分を占め、96例が1歳未満の乳児、91例が1歳から4歳の幼児である。
・10歳から19歳の青少年が153例で最大グループとなっている。
・合計51例の患者（10％）が入院を必要とし、1例の死亡例が発生し、同時期に隣のケンタッキー州でも3例の新生児死亡が報告されている。
・2025年6月から12月までの2週間ごとの報告では、2025年6月30日に30例、同7月16日に22例のピークがあり、その後は8月から初秋にかけて活動性が低下している。
〇● ツツガムシ病 インド
Summary
As of 04 Dec 2025, Andhra Pradesh 州で775例のツツガムシ病 scrub typhus cases が報告されており、3例の死亡が確認されている。Kakinada, Chittoor, and Visakhapatnam に集中して発生しており、農業地域での季節的な活動性に平行して、都市部にも拡大する異例の感染伝播パターンとなっている。
Scrub typhus causes at least 775 cases and three confirmed deaths in Andhra Pradesh, India, with transmission reported outside typical endemic areas
Key findings
・As of 04 Dec 2025, Andhra Pradesh's 州全域で行われた検査で approximately 775 scrub typhus cases from 4,724 samples, さらに広範囲のサーベイランス broader surveillance efforts では1346 positives from 6778 samples in 2025, indicating ongoing activity across districts が確認されている。
・州内では Kakinada and Chittoor それぞれ over 150 cases のほか, 通常の感染地域とは異なる都市部ではあるが Visakhapatnam が 120 cases を報告している。
・Geographic distribution is atypical, with increased activity in urban and peri-urban districts and minimal or no detection in forested, agriculture-dominated districts such as Alluri Sitharama Raju, Konaseema, Parvathipuram-Manyam, and West Godavari.
(ANDHRA PRADESH)
Summary
In a district of Andhra Pradesh, health officials have increased surveillance and awareness efforts due to reported cases of scrub typhus.
● 蝿蛆症 メキシコ (COCHLIOMYIA HOMINIVORAX)
Summary
メキシコ国内で、ラセンウジバエによるヒトの蝿蛆症の患者が増加している。複数の州に波及しているが、大多数が１つの州に集中している。保健当局がハイリスク地域に入った。農村部で発生し、治療に困難が生じている。
● ノロウイルス 米国
Summary
地上のアウトブレイクと並行してクルーズ船内のノロウイルス・アウトブレイクの発生があり、発生件数はパンデミック前よりも多くなっている。
● 梅毒 ハンガリー
Summary
ハンガリー国内の先天性梅毒の症例に懸念すべき増加がみられ、新生児死亡も発生している。分娩前の妊婦の検査が義務化された。
● 旋毛虫症 アルゼンチン (NEUQUEN)
Summary
Neuquén の保健当局により旋毛虫症の患者 cases of trichinosis が確認され、複数の精肉店で汚染のあるソーセージが発見された。
● 狂犬病 マレーシア (SARAWAK)
Summary
Sarawak 州でペットのイヌと野犬の合わせて2頭の動物が、狂犬病検査で陽性となった。ペットのイヌはヒトを咬んでおり、感染拡大のおそれがある。