2025年5月23日

ポリオ パプアニューギニア
DIROFILARIA REPENS イタリア 
PARABURKHOLDERIA FUNGORUM 米国、未滅菌超音波検査用ゲル CDC

● ポリオ パプアニューギニア
Summary
パプアニューギニアの健常児で、ワクチン由来2型ポリオウイルスが確認された。国内のワクチン接種率が低いことから、ポリオ・アウトブレイクに分類された。過去のインドネシアのアウトブレイク関連のウイルスであった。

● DIROFILARIA REPENS イタリア (LAZIO)
Summary
顔面の皮下組織内の素速い移動を特徴とする寄生虫の the Dirofilaria repens nematode 線虫による、ヒトのイヌフィラリア症感染例について報告する。患者は当初視認性の異常を訴えて別の診断名が下されていたが、その後虫体の移動による這うような感覚を覚えた。血清学的検査と、その後の外科的な虫体除去及び解析により診断がついた。今回の症例により、皮下病変の鑑別診断として新興人獣共通感染症を加えることの重要性が示された。

● PARABURKHOLDERIA FUNGORUM 米国 CDC
 情報源 CDC 2025年5月15日
Summary
皮膚や組織を穿刺する手技中に使われる滅菌されていない超音波検査用ゲルについて、医療従事者に対する注意が呼びかけられている。複数のアウトブレイクが汚染されたゲルに関連し、重症感染症につながっている。最近の感染クラスターの調査で、未滅菌の超音波検査用ゲルで特殊な細菌が関係していることがわかった。

Alert: Use only sterile ultrasound gel for percutaneous procedures
背景
超音波ガイド下皮膚穿刺操作のための未滅菌ゲル non-sterile ultrasound gel の汚染に関連する、多数の医療現場でのアウトブレイクがこれまで報告されており、この中にバークホルデリア属の細菌 bacteria in the Burkholderia cepacia complex が関連するアウトブレイクが含まれている。皮膚または組織を穿刺する手技のほか、中心または末梢静脈内血管カテーテルの挿入、羊水穿刺なども含まれている。ゲル内に存在する微生物が無菌部位(血流など)に拡散し、深刻な感染症の原因となる。感染源とならない菌であっても培養検体中に混入し、無用な抗生物質治療が行われ医療資源が奪われることとなる。
Current outbreak summary
2024年9月、 CDC にミネソタ州保健当局 Minnesota Department of Health から、複数の医療施設の患者らの血液培養で a cluster of Paraburkholderia fungorum -- a bacterium rarely associated with human illness -- が検出されたとの報告があった。これらの患者から分離された菌は、whole-genome sequencing (WGS) において近い関係にあった。患者の多くは感染症状は示していなかった。
2025年5月8日の時点で、CDC には主に患者の血液培養で分離された 40 isolates of P. fungorum が報告されている。WGS において関連性のある、4 USA states and 2 other countries の患者からの分離菌である。製品の検査 Product testing across these jurisdictions で、少なくとも2種類の未滅菌ゲル製品 2 non-sterile ultrasound gel products からP. fungorum が分離され (MediChoice [lots: 240302; 240306] and ClearImage [lots: 230221, 230256, 240227, 240230]、いずれも NEXT Medical Products Company [Branchburg, NJ]) 社の製品であった; 2製品からの分離菌どうしも also genetically related to the P. fungorum patient isolates であった。
CDC, along with state and local jurisdictions, continues to investigate in coordination with the US Food and Drug Administration (FDA).

● COVID-19 ベトナム
Summary
ハノイとホーチミン市の病院で、COVID-19感染の増加が確認されている。ほとんどが軽症例であるが、保健当局は注視している。オミクロン XEC 株が確認されているが、(重症化)リスクは低いと考えられている。

● 百日咳 米国 (HAWAII) 
Summary
コミュニティ内での感染拡大は確認されていないが、百日咳の増加が問題視され、ハワイ州および全米でのワクチン接種率の低下が懸念されている。

● 麻疹 カナダ、米国(2件)
カナダ (MANITOBA)
Summary
マニトバ州でふたたび麻疹が著しく増加している。

米国 (GEORGIA, TEXAS, MONTANA. NEW JERSEY)
Summary
ジョージア州の海外旅行者が感染し、テキサス州の住民の感染も確認されている。モンタナ州の住民は郡の外への旅行により感染した。ニュージャージー州のコンサート会場で観戦したとみられる症例が確認された。

● 結核 米国 (NEW YORK)
Summary
Long Island の高校で、生徒1名が結核検査で陽性となり、生徒と職員の結核検査が行われている。報告された時点で他の感染は確認されていない。潜伏期間が経過したあと、2度目の検査が計画されている。

● バベシア症 イタリア
UNUSUAL SPECIES, 2017-2020
Summary
イタリア北部における、3例のヒトのバベシア症について報告する。それぞれ別の種類のバベシアに感染し、ヒトの感染はまれな種類も含まれている。

● コクシジオイデス症 米国 (UTAH)
Summary
真菌による肺感染症の Valley fever は、ユタ州の特に南部に存在する。土壌中の芽胞を吸入することで感染する。多くの場合軽症であり治療なしで回復するが、一部は重症例となる。特に屋外で労働する人々は、症状と感染リスクを知っておく必要がある。

● 髄膜炎菌性髄膜炎 ナイジェリア
Summary
2月初めから5月はじめにかけて、全国で多数の髄膜炎患者が確認された。脳と脊髄を包む膜に炎症が及ぶ最も危険なタイプの髄膜炎が多く発生した。ワクチンの一斉接種が行われた。すべての年齢で感染がみられるが、特に幼児は危険であり、生存しても長期間の後遺症を残すことがある。

● コレラ アンゴラ、コンゴ民主共和国(2件)
アンゴラ
Summary
国内のほとんどの州で深刻なコレラ・アウトブレイクが発生している。

コンゴ民主共和国
Summary
6か所の州にコレラ感染流行が宣言されている。

● 赤痢 米国 (NEW MEXICO) 
MUTLIDRUG-RESISTANT SHIGELLA FLEXNERI, 2021-2023
Summary
ニューメキシコ州で発生した深刻な多剤耐性赤痢アウトブレイクにより、ヒトも非ヒト霊長類も感染し、いずれにおいても死亡例が発生した。

● 先天性風疹症候群:19か国、ワクチンの効果
Summary
先天性風疹症候群 CRS を排除するための世界的な取り組みについて報告する。2023年末までに風疹を含むワクチンを導入していなかった19か国について、導入の効果を現在と将来について検討した。導入により CRS は著しく減少する可能性があり、風疹根絶の目標に向かう歩みを加速させる可能性が示されている。

● ピスタチオの病気、CITRUS BARK CRACKING VIROID チュニジア
Summary
柑橘樹に感染する viroid がチュニジアで確認された。過去、カリフォルニア州のピスタチオの樹木で確認されている。このピスタチオ株 viroid がチュニジア北部の野生のピスタチオの木で確認され、葉の変形や成長の妨げの原因となっている。

● ウエストナイルウイルス 英国、蚊族
Summary
主に、アフリカ豚熱、中東、南アジアに生息する熱帯ウイルスの1つが、英国内ではじめて蚊族で確認された。市民へのリスクはきわめて低いが、一部の症例で重症化の可能性がある。このウイルスは鳥類から感染した蚊族の刺咬により感染伝播がおきる。

● 狂犬病 ベトナム (TRA VINH) 
Alert ID: 8724494
Summary
the Cau Ngang district of Tra Vinh province において、狂犬病アウトブレイクが確認されている。発生地域と周辺のコミュニティのイヌとネコへの無料ワクチン接種が行われている。