● エキノコッカス症、トキソカラ症 ベトナム (CAN THO, QUANG NINH)
Summary
ベトナムの寄生虫感染症に関する2件の報告。
1件は、ペットとの接触及び生の食品摂取により、2種類の寄生虫に感染した女性。
もう1件は、寄生虫を眼から外科的に除去された女性。
[1] Vietnamese woman infected with 2 types of parasites linked to pet ownership, raw food consumption
情報源 Tuoi Tre News 2025年7月26日
Vietnam's Mekong Delta の29歳女性が今週 Can Tho City において、ペットでよくみられる2種類の寄生虫 types of parasites の同時感染例と診断された。腕と背中の長引くかゆみのため医療機関を受診していた。
the ELISA 法による血液検査 の結果、エキノコッカス Echinococcus, or canine tapeworm とトキソカラ Toxocara, a roundworm typically found in dogs and cats の感染が確認された。
女性はイヌを飼育しており、生の野菜やシーフードをよく食べると申告しており、医師はこの習慣が寄生虫の感染につながりやすいと述べている。
抗寄生虫薬を処方され、再感染を避けるため、ペットとの濃厚接触は避け、食事の衛生に注意するよう、ライフスタイルの変更をアドバイスされた。
[2] 情報源 Tuoi Tre News 7月26日
Quang Ninh Province の病院の医師らが、違和感が続いていた女性の眼から 4cm 長の寄生虫を外科的に除去したと、25日に明らかにした。
この Dong Trieu Ward の67歳女性は、右眼の20日近く続く充血と不快症状を訴えて、病院 Vietnam-Sweden Uong Bi Hospital を受診した。医師は、女性の右眼の結膜下の白色の糸状の物体を確認し、上強膜炎を伴う寄生虫感染症を疑った。小手術により、炎症部位の結膜下の約4cmの回虫の死体を除去した。引き続き入院治療と検査が行われ、他の寄生虫感染の所見がないことが確認された。
検査によりこの寄生虫はトキソカラ Toxocara spp., a type of roundworm commonly found in dogs and cats と同定された。ヒトは、汚染された土壌や動物の糞から感染する。抗生物質、抗炎症薬、抗寄生虫薬により治療が行われた。視力は著しく改善 significant improvement in vision し、永続的な障害は報告されていない。
● ブタ連鎖球菌 ベトナム (HANOI)
Summary
ブタの皮の処理業者1名が、手を切った後に細菌感染症に罹患した。ブタ連鎖球菌が原因となる感染症は、調理不十分な豚肉の摂取や感染したブタとの接触により感染することが多い人獣共通感染症である。発熱、頭痛、嘔気などの症状があり、重症例は深刻な合併症や死亡のおそれもある。
● デング熱 ベトナム (HANOI)
Summary
ハノイ Hanoi のデング熱感染例が先週倍増した。蚊族の繁殖に好適な気候条件となり、アウトブレイクが発生するリスクが高いと当局は注意を呼びかけている。ハノイの感染者数は昨年より少ないものの、最近の増加は懸念されている。全国的にも昨年より患者数は少ないが、一部で著しい増加がみられている。
● レプトスピラ症 フィリピン (MANILA)
Summary
マニラ Manila において、洪水後のレプトスピラ症による4例の死亡例が報告されている。
● 麻疹 米国、イスラエル(2件)
米国 (CALIFORNIA)
Summary
ロサンゼルス国際空港を通過した旅行者1名の麻疹感染が確認され、同空港と付近のホテルにいた人々は暴露したおそれがあるため、体調に留意する必要がある。
イスラエル
Summary
イスラエルの幼児2名が麻疹感染により入院し、生命維持装置 life support につながれている。
● ジフテリア パキスタン
Summary
最近のジフテリア・アウトブレイクは、深刻化するワクチン接種の危機的状況を表している。ワクチンで予防可能なこの疾患は、予防接種率の低下と地域内のワクチン接種活動上の問題に伴って再興した。
● ノロウイルス 米国 (MASSACHUSETTS): MARTHA'S VINEYARD
Summary
Edgartown において検査の結果ノロウイルスが確認された。食中毒と間違われやすいこの疾患は感染力が強く、接触または汚染のある食品により感染が拡大する。スタッフと客の罹患が報告され、2か所の施設が自主的に営業を休止している。
● B群連鎖球菌 中国 (HONG KONG) ST283
Summary
香港における B群連鎖球菌侵襲性感染症アウトブレイクは、淡水魚を取扱ったことに関係している。生の淡水魚との身体的接触が感染のもっとも強いリスク因子であると報告されている。今回の事例は、同じ地域における以前の GBS ST283 infections に続くもので、同じリスク因子が存在することが示唆されている。市場調査、魚を取り扱う人々の衛生遵守、安全な魚の取り扱い方法の周知など対策がある。
● セルカリア皮膚炎 米国 (WASHINGTON)
Summary
川沿いの特定地域 certain areas of the Columbia River において、swimmer's itch に関する注意喚起が発出された。寄生虫による疾患で、人体に対するアレルギー反応が引き起こされる。他者に感染することはなく、通常は自然治癒するが、不快な症状となる。リスクを低減するため、遊泳後はすぐに身体を乾かし、遊泳エリア付近の鳥類に餌を与えないこと。
● A型肝炎 カナダ (ONTARIO)
Summary
レストランチェーンが関係する A型肝炎アウトブレイクは、全国的な公衆衛生上の懸念となっている。汚染のある食品が原因と考えられており、飲食店は、食品安全上の衛生遵守を再確認するよう求められている。暴露の疑いがある場合はワクチン接種が勧められている。
● デング熱 ベトナム (HO CHI MINH CITY)
Summary
デング熱患者、重症例、入院が遅れる症例の増加がみられている。患者の大部分が当初は誤診され、効果のない治療薬で自宅療養となり、臓器障害や出血症状などの重症合併症につながっている。
● コレラ スーダン (NORTH DARFUR)
Summary
the Tawila area of Sudan's North Darfur region において内戦からの避難民の流入に伴い、コレラ・アウトブレイクが発生している。アウトブレイクは難民キャンプに集中しており、雨期により感染拡大が悪化することが懸念されている。
● エムポックス ウガンダ
Summary
過去1ヶ月間にエムポックスの症例数は著しく減少した。ワクチン接種活動の増加とサーベイランス、患者管理、周知キャンペーンなどが寄与したとされている。エムポックスは濃厚接触による伝染性ウイルス感染症で、発熱、発疹、筋肉痛などの症状がみられる。
● JAMESTOWN CANYON VIRUS 米国 (PENNSYLVANIA)
Summary
Crawford County の蚊族が The Jamestown Canyon virus を保有していたことが確認されている。ヒトの感染例は報告されていないが、ウイルス感染症を発症するおそれがあり、蚊族による刺咬を防止するよう注意が呼びかけられている。
● アフリカ豚熱 マレーシア、ベトナム(2件)
MALAYSIA (PENANG)
Summary
African swine fever has been confirmed on multiple pig farms in the Tasek Gelugor area.
VIET NAM (QUANG NINH)
Summary
African swine fever has re-emerged in Quang Ninh province, prompting the destruction of affected livestock.
● 原因不明の死亡、ブタ ベトナム (LAM DONG)
Summary
Bao Lam 1 commune において異常な数のブタの死亡が確認されたことから、現地当局 Lam Dong authorities は対応を強化している。死亡原因の特定、監視・検査・消毒を増やすことなどの対応が行われている。動物の移動制限の厳格化なども集中して行っている。
● 狂犬病 インドネシア (BALI)
Summary
狂犬病アウトブレイクについて、バリの当局は旅行者らに対して注意を呼びかけている。複数の人気の旅行先が、発生及び動物による咬傷件数が増加し "red zones" に指定されている。発生地域の動物に対する一斉ワクチン接種活動が続けられている。旅行者は動物との接触を避け、襲われた場合は直ちに医療機関に相談するようアドバイスされている。