2025年8月14日(2/2)15日

重症熱性血小板減少症候群 日本、ヒト-ヒト感染

● 重症熱性血小板減少症候群 日本
Summary
患者の治療に当たった医療従事者がダニが媒介するウイルスに感染し、同ウイルスについて国内初のヒト-ヒト感染例となった。このウイルスは通常、ダニの刺咬を介して感染が伝播されるが、他の複数国において体液との接触による感染が過去に報告されていた。

 情報源 VOCO News 2025年8月13日
Japan's first case of human-to-human transmission of a tick virus confirmed
1人の患者から医療従事者1名が重症熱性血小板減少症候群に感染した初めての症例 the first case of severe fever with thrombocytopenia syndrome (SFTS)について、日本の感染症研究所が発表した。20代の医師が、ダニの刺咬を受け SFTS と診断されていた患者を治療した11日後に発熱した。遺伝子検査で両者のウイルス遺伝子は同じ identical viral sequences であり、ヒト-ヒト感染伝播であると確定した。患者は受診の3日後に死亡した。
SFTS は主にダニ刺咬により感染伝播するが、以前、中国と韓国において、患者の血液、体液もしくは飛沫との直接の接触のあった患者の感染が確認されている。
米国 CDC The US Centers for Disease Control and Prevention (CDC) は、ダニの刺咬があればただちに除去するようアドバイスしており、48時間以内に除去することで、ライム病感染 Lyme disease transmission のリスクを大幅に低下させることができる。もっとも良い除去の方法は、滅菌した鑷子 sterilized tweezers を使って皮膚に近い部分でダニを把持し、着実に引き抜き、刺咬部位を石けんで洗うことである。アルコールやワセリン petroleum jelly などを用いる家庭療法は感染のリスクを上昇させるので行わないこと。
"8-legged monsters" ともよばれるダニは、ほ乳類の血液を餌とし、イノシシ、クマ、げっ歯類などの小型から中型のほ乳類に寄生していることが多い。その生活環は3段階に分かれている: larvae, juveniles, and adults が、どの段階でも血液が必要である。Larvae はわずか only 1 to 2 mm の大きさであり、刺咬に気づくことは難しい。
ダニはヒトの感染の重要なベクターで、Lyme disease, Q fever, tularemia, and SFTS などを伝播する。
専門家は、ダニの刺咬から数日以内に、発熱、悪寒、倦怠感、頭痛、筋肉・関節の痛み、皮膚の発疹などが現れた場合は、ただちに医療機関を受診するようアドバイスしている。
屋外では明るい色の長袖の服と手袋、長靴を着用し、ズボンの裾は靴下の中に入れ、diethyltoluamide or picaridin を含む昆虫忌避剤を衣服や露出した皮膚に塗布することを勧めている。草地や森に長時間滞在(座る)することも避けた方がよい。

● コレラ コンゴ民主共和国 (NORTH KIVU) 
Summary
the Mweso health zone of North Kivu の避難民の中で、2例のコレラが関係する死亡例が確認された。

● エムポックス ガーナ (WESTERN NORTH)
Summary
the Akontombra District of Ghana's Western North Region で、エムポックス1例が確認された。

● ビブリオ・バルニフィカス感染症 米国 (LOUISIANA)
Summary
ルイジアナ州保健当局が、新たな人喰い細菌感染症の症例を報告している。特に開放創がある場合、または免疫に問題がある人々は重症化するおそれがある。

● 炭疽 カザフスタン (SOUTH KAZAKHSTAN)
Summary
Shymkent, Kazakhstan において、医療機関を受診した3名の炭疽感染が確認された。感染は肉や内臓に接触した結果とみられている。汚染されたおそれのある肉の廃棄とリスクのある人々へのワクチン接種などの、感染拡大防止策が行われている。the Akmola region の炭疽アウトブレイクに続く事例である。

● サルモネラ感染症 スペイン(2件)
 (ARAGON)
Summary
Barbastro のフェスティバルに関係するうサルモネラ感染症アウトブレイクは、トーストに載せて出されたトマトの汚染が原因とみられている。

 (BALEARIC ISLANDS)
Summary
Majorca において、団体客が日本食レストランで食事後に体調を崩した。不良の衛生状態と不適切な食品保管がサルモネラ感染症アウトブレイクの原因となった。食品の温度管理が不適切であり、清掃が不十分であったことが判明し、このレストランは営業停止となった。

● マラリア 仏領マヨット
Summary
マヨットでは5年ぶりとなるマラリアの地域感染例が確認された。輸入感染例が増加していたことで、地域内で感染が拡大したとみられている。a resurgence of the epidemic とはされていない。

● インフルエンザ菌b型 米国 (INDIANA) 
Summary
髄膜炎の原因となる細菌により子どもを失ったインディアナ州 Northwest Indiana の家族が、こどもらにワクチン接種を受けさせるよう訴えている。死亡した患児は頭痛を発症した後、急速に病状が進行し、髄膜炎と診断された。

● ウエストナイルウイルス 米国 (ILLINOIS)
Summary
シカゴの公衆衛生当局は、ウエストナイルウイルスの感染例の増加を受け、リスクレベルを引き上げた。蚊族の刺咬により伝播されるウイルスで、当局は特定地域での殺虫剤噴霧などの蚊族対策を行っている。

● 日本脳炎 インド (MADHYA PRADESH)
Summary
a district of Madhya Pradesh, India の幼児1名が日本脳炎により死亡した。

● 原発性アメーバ髄膜脳炎 米国 (MISSOURI)
Summary
ミズーリ州の住民1名が、the Lake of the Ozarks 湖を訪れたあと、脳食いアメーバによる感染症と診断され、現在治療を受けている。感染源の調査が行われており、水上スキー中に曝露したとみられている。このアメーバは水温の高い淡水中に存在するが、病気の原因となることはまれである。感染のリスクを軽減するため、温かい淡水では鼻に水が入らないよう注意することが必要である。

● ハンセン病 インドネシア
Summary
インドネシア保健省は、100か所以上の地区及び都市からハンセン病を排除する努力を進めており、2030年までの根絶を目標に掲げている。


● ランピースキン病 インド (MAHARASHTRA) 
Summary
Lumpy skin disease is affecting bovine animals in several districts. Restrictions on cattle gatherings and transport have been implemented to control the spread. A new vaccine is being developed and is expected to be used in a mass immunization program. 

● アフリカ豚熱 ベトナム、フィリピン(2件)
VIET NAM (QUANG NGAI) 
Summary
In Quang Ngai, authorities are working to control an outbreak of African swine fever. 

PHILIPPINES (NEGROS OCCIDENTAL)
Summary
The hog industry in Negros Occidental is recovering from outbreaks of African swine fever and hog cholera that occurred in 2023.