2025年8月21日

狂犬病 インド
インフルエンザ、RSウイルス、COVID-19 米国小児科学会

● 狂犬病 インド(4件)
(UTTAR PRADESH) 
Summary
Uttar Pradesh 州の幼児1名が、野犬に傷をなめられたことによる狂犬病で死亡した。恐水症などの症状がみられた。

(TAMIL NADU) 
Summary
Salem の男性1名がペットのイヌにかまれた後、狂犬病により死亡した。飲水が困難な症状や異常行動などがみられていた。これ以前にもこのイヌは他の人々を咬んでおり、男性は咬まれた後に狂犬病のワクチンを受けていなかった。

(KARNATAKA) 
Summary
Davangere, India の女児1名が、野犬に襲われた4か月後に狂犬病のため死亡した。複数の病院で治療を受けたが助からなかった。

(KERALA) 
Summary
2025年初からの7か月間に多数の狂犬病関連死亡が確認されている。昨年、当局は多数のイヌによる咬傷を報告していた。

● インフルエンザ、RSウイルス、COVID-19 米国
Summary
米国小児科学会 The American Academy of Pediatrics (AAP) から、新たな小児と青少年の予防接種スケジュールが発表された。インフルエンザ、RSV、COVID-19 を含む、18の疾患に対するエビデンスに基づいて推奨される予防接種の情報が与えられている。The AAP's recommendations は the CDC のそれとは異なっており、小児をケアする小児科医をサポートする目的で作成された。

 情報源 American Academy of Pediatrics(AAP)2025年8月19日
The American Academy of Pediatrics releases its own evidence-based immunization schedule

● マラリア ベトナム (LAO CAI, HUNG YEN, HAI PHONG) 
Summary
ハノイの病院で、最近アフリカを旅行した複数の重症マラリア患者が治療を受けている。発熱、倦怠感や、一部の症例では昏睡や臓器不全の症状がみられている。

● デング熱 バングラデシュ
Summary
Dhaka city ダッカ市当局は蚊族対策に多額の資金を投入しているが、蚊族媒介性疾患のアウトブレイクが引き続き発生している。専門家は、時代遅れの戦略、計画性のなさ、協力体制の欠如が、対策が有効でないことの原因と指摘している。ダッカ市郊外 Outside of Dhaka でデング熱が急増しており、rural and semi-urban areas への拡大が懸念されている。

● 蝿蛆症 ホンジュラス
Summary
ヒトを含む温血動物の開放創に付く、ハエウジによる蝿蛆症アウトブレイクが発生している。感染の多くがニカラグアとの国境地域に集中しているが、国内全体に拡大した。供給が途絶えたため、不妊個体の放出プログラムが中断されている。家畜に深刻な被害をもたらせる。

● 類鼻疽 米国 (GEORGIA) 2024
Summary
ジョージア州の類鼻疽に関する報告で、4件の事例が確認された。7年間におよぶ期間に発生したこれらの症例は、細菌の遺伝学的解析を介して関連が認められ、地理的にも近接していた。共通する環境からの感染の可能性が示唆され、1980年代まで遡及する可能性もある。

● セラチア症 SERRATIA MARCESCENS イタリア (TRENTINO-ALTO ADIGE) 
Summary
細菌感染症による複数の未熟児の感染を受け、Bolzano のある病院の調査が行われている。新生児用ボトル用の石けんディスペンサーから菌が検出された。

● カンジダ症 米国
Summary
2025年、死亡する可能性があり、薬剤耐性の真菌に感染した患者の報告数が著しく増加し、複数の新たな州に感染が拡大している。抗真菌薬に耐性を有するため、感染すると治療が困難で深刻な脅威となっている。基本的に医療施設で感染が発生し、免疫が低下したり医療器具を装着された人々が感染する。環境中でも生存可能であり、感染リスクが高い。

● アルゼンチン出血熱 アルゼンチン (BUENOS AIRES)
Summary
Buenos Aires province  において、アルゼンチン出血熱感染例および感染疑い例の増加が報告されており、すでに昨年の症例数を超えている。主に rural and semi-rural areas において感染が起きている。接種率が低いワクチン接種の努力が強化されている。the Junín virus ウイルスが原因の AHF は感染したげっ歯類との接触により感染する。発熱、頭痛などのインフルエンザ様症状がみられる。季節性の発生増加があり、治療されない場合死亡するおそれがある。

● レプトスピラ症 マレーシア (TERENGGANU) 
Summary
A Form Three student 生徒1名がレプトスピラ症により死亡し、河川での遊泳中に感染したとみられている。Lata Pok Sik でのよび水のレクリエーションには、ラットの尿で汚染された水からの感染リスクがあるとして、行わないよう呼びかけられている。

● 食中毒 米国、インドネシア産冷凍エビ 放射性セシウム137
Summary
インドネシアの1社から輸入された冷凍エビに汚染の疑いがあるとして、The FDA が調査している。

● 麻疹 韓国、モルドバ、コンゴ民主共和国、(3件)
韓国
Summary
主に麻疹が多く発生している国への海外旅行に関係する、韓国国内での麻疹感染例の増加がみられている。

モルドバ (CHISINAU)
Summary
1回目のワクチンを受けた Chisinau の小児1名が麻疹に感染した疑いがある。危険な状態ではなく、確認検査の結果はまだ出ていない。

コンゴ民主共和国 (SOUTH KIVU)
Summary
2025年初以降、コンゴ民主共和国の1地域 province で麻疹アウトブレイクが発生している。保健当局は保護者らに、重症合併症の危険がある麻疹に対し、子どもへのワクチン接種を受けさせるよう呼びかけている。

● 百日咳 バヌアツ
Summary
百日咳アウトブレイクの発生が確認され、サーベイランスが強化され、保護者らに子どもへのワクチン接種が勧められている。

● ジフテリア ソマリア
Summary
ソマリア国内で、ジフテリアの感染及び死亡が著しく増加している。保健当局は、ワクチン不足がアウトブレイクの原因としている。

● サルモネラ感染症, SEROTYPE ENTERITIDIS オーストリア
Summary
オーストリアで発生中のサルモネラ感染症による患者が著しく増加している。感染源についての調査が続けられているが、卵および卵製品が疑われている。サンプルを採取し、患者の摂取状況が調べられている。汚染が疑われる卵は流通から除去され、市民に対し卵を十分加熱して食べるようアドバイスされている。2024年のサルモネラ感染症の患者も増加しており、昨年は他の2件のアウトブレイクが発生したと述べられている。

● コレラ コンゴ民主共和国 (KONGO CENTRAL) 
Summary
Matadi のコレラ・アウトブレイクの状況は悪化しており、必要な治療薬の不足が懸念されている。

● 原発性アメーバ髄膜脳炎 インド (KERALA)
Summary
アメーバ脳炎の増加について、ケララ州保健当局が市民に対し注意を呼びかけている。水中に生息するアメーバを原因とする、まれな脳の感染症で、当局は水の採取を行っている。淡水から感染し致死性である。

● ラッサ熱 ナイジェリア
Summary
ナイジェリアは、ラッサ熱ワクチン開発のための国際的研究コンソーシアムに参加している。このプロジェクトでは、感染に対する防御を示す免疫マーカーの特定を目指している。ワクチン製造メーカーにとって、ワクチンの防御能を検査で知ることができ、ワクチンの出荷のスピードアップにつながる。他の出血熱への適応の可能性や世界のパンデミック準備体制の改善も目指されている。

● アナプラズマ症 米国 (CALIFORNIA)
Summary
カリフォルニア州において、イヌを中心にダニ媒介性のアナプラズマ症が増加しており、ペットの感染増加がヒトの感染リスク増大につながる可能性が懸念されている。ライム病と同じ種類のダニが媒介し、イヌでは多彩な症状がみられるものの薬物により治療可能である。

● アフリカ豚熱 フィリピン 、ベトナム(2件)
Philipines (Cagayan)
Summary
the Cagayan province, specifically in the town of Sanchez Mira において、アフリカ豚熱が確認されている。ブタおよびブタ肉製品の移動が禁止されている。近隣地域でも同様の制限措置が実施されている。

Viet Nam (NGHE AN) 
Summary
The province of Nghe An はアフリカ豚熱の拡大防止に直ちに対応する必要に迫られている。発生が予測されていなかったことに加え、十分な対応能力に欠ける小規模農場が存在することが、感染拡大に寄与している。

● 東部ウマ脳炎 カナダ、コロンビア、米国
Summary
複数地域において、ウマの東部ウマ脳炎感染が確認されている。蚊族により伝播され、動物にもヒトにも感染する同ウイルスの感染伝搬防止対策が執られている。

● 鳥インフルエンザ アルゼンチン (BUENOS AIRES) 
Summary
アルゼンチン国内で高病原性鳥インフルエンザアウトブレイクの発生が確認され、当局プロトコールが実施に移され、一部の国々への家きんの輸出が一時的に中止されている。

● 馬インフルエンザ エクアドル
Summary
エクアドル国内の複数の地域 multiple provinces で馬インフルエンザが確認されている。

● 炭疽 カナダ (NORTHWEST TERRITORIES) 
Summary
死亡した1頭のバイソンの遺体で炭疽感染が疑われている。