ウエストナイルウイルス フランス
● ウエストナイルウイルス フランス (ILE DE FRANCE)
Summary
ウエストナイルウイルスの、はじめての地域内感染例が、The Île-de-France Regional Health Agency 地域保健当局により確認された。ヒトは蚊族刺咬によりこのウイルスに感染し、多くの場合無症状かインフルエンザ様症状となる。稀な例として、神経学的合併症を発症する。当局は感染例の調査、輸血と臓器提供の安全確保、周知、サーベイランス強化などを行っている。
情報源 Agence Regionale de Sante 2025年8月13日
保健当局 The Île-de-France Regional Health Agency (ARS) により Seine-Saint-Denis 在住の2例の国内ウエストナイルウイルス感染例 indigenous cases of West Nile virus が確認され、いずれも常在地域への渡航歴は確認されていない。
1例目は 2025年7月末に確認され、感染リスクがあったと思われる時期に the Jura department (Bourgogne-Franche-Comté) を訪れていた。
2例目は 2025年8月6日に確認され、発症までの15日間は the Île-de-France region を離れたことはない。
これら2例は、the 1st identifications of local vector-borne transmission of the West Nile virus in the Île-de-France region となる。
Modes of transmission and symptoms
ウエストナイルウイルスは主に、ウイルスを保有する鳥類から感染したイエカ属蚊の刺咬 the bite of a Culex mosquito によりヒトに感染する。イエカ属蚊はフランス本土に多く存在し、主として夕方から夜間にかけて刺咬する点で、昼間に活動性を増すヒトスジシマカ the tiger mosquito, Aedes albopictus と異なっている。感染例の80%は無症候性である。
症状がある場合、頭痛、筋肉痛、腹痛、嘔気、下痢などを伴う高熱などのインフルエンザ様症状となる。(1%未満の)まれなケースで、神経学的合併症(髄膜炎、脳炎)を発症する。通常、自然治癒するが、一部に後遺症 sometimes with after-effects がみられる。
ただし、特に高齢者では死亡する可能性のあるウイルス感染症である。
2021年以降、ウエストナイル熱 West Nile virus fever は届出疾患リスト the list of notifiable diseases (NDRs) に入れられている。
発症までの15日間に常在地域への旅行がない場合、地域内感染 indigenous と定義される。
アルボウイルス感染症の確認が the ARS に報告され次第、the Agency and Public Health France は常在地域への渡航及び感染例との接触について調査を行う。
Surveillance and prevention system
複数の大陸で発生が確認されており、2010年以降、欧州の特に南部の国々で徐々に感染が拡大し、神経侵襲性の症例の増加がみられている。
フランス国内では、ヒト、ウマ、鳥類の3種類のサーベイランスシステムが稼働している。
It is based on the human health (ARS, Public Health France, National Reference Centre for Arboviruses, health professionals) and animal health (equine and avian - ANSES, National Reference Laboratories, National Office for Biodiversity) sectors, as well as the Departmental Directorates for Population Protection (DDPP), research teams, mosquito control operators and entomologists.
このサーベイランスは毎年、ベクター蚊族の活動期間である 5月1日から11月30日までの間に強化されている。ウイルスの感染循環をいち早く察知し、特に輸血と臓器提供の安全確保を目的として、感染防護策を講じることを目的としている。
Actions implemented by the ARS Île-de-France in collaboration with other stakeholders
これまで発生のなかった Île-de-France での状況を受け、当局 the ARS は関係各局と協力して対応にあたっている。
疫学調査; 血液製剤、提供臓器、組織、細胞、胚に関する注意喚起; the Paris region の医療機関への症例の受診の可能性; 昆虫学的サーベイランス; 鳥類とウマのサーベイランス強化
Recommendations for the general public
● デング熱 フィリピン (LUZON)
Summary
3回の Luzon の熱帯ストームのあと、保健当局は状況の監視を行い、さらなる患者増加に備えている。蚊族発生の可能性のある場所を除去し、症状があれば受診するようアドバイスを行っている。
● ツツガムシ病 ネパール (CHITWAN)
Summary
Chitwan の女性1名がツツガムシ病により死亡した。数日前に入院し、けいれんの症状がみられた。この地域で複数の感染例が確認されている。
● 麻疹 米国 (VIRGINIA, NEW JERSEY, WISCONSIN)
Summary
ダラス国際空港において麻疹に暴露した疑いがあるとして、旅行者らに対しバージニア州保健当局が注意を呼びかけている。患者は8月12日午後、the main terminal, at the TSA security checkpoint, in Concourse B に滞在していた。
ニュージャージー州において、複数の列車内 on several NJ Transit trains において麻疹暴露の可能性があるとして注意が呼びかけられている。患者は the Hudson-Bergen Light Rail and PATH trains に乗車していた。
● コレラ コンゴ民主共和国 (SOUTH KIVU)
Summary
the Fizi health zone of South Kivu におけるコレラ・アウトブレイクが発生し、不衛生な行為がアウトブレイクの原因とされており、医療担当者は状況の悪化を指摘している。
● エムポックス セネガル (DAKAR)
Summary
The Ministry of Health in Dakar が外国籍のエムポックス1例が確認されたと発表した。最近入国したこの患者は、発症後に入院となり、現在状態は安定し隔離されている。
● 食中毒 米国、ニュージーランド(2件)
米国, RADIOACTIVE CESIUM-137
Summary
放射性物質による汚染のおそれがあるとして、複数の冷凍エビが回収されている。Southwind Foods, LLC 社による回収は、生及び調理済みエビ食品で複数州で販売されていた。インドネシアの BMS Foods 社から出荷されたもので、すでに米国内への輸入は差し止められている。
ニュージーランド
Summary
最近数か月間に複数の食中毒アウトブレイクが発生している。食品安全当局による調査が行われている。魚介類は十分加熱するようアドバイスされている。
● 原発性アメーバ髄膜脳炎 米国 (MISSOURI)
Summary
成人の州住民1名の、アメーバ the ameba Naegleria fowleri によるまれな脳の感染症・原発性アメーバ性髄膜脳炎が、ミズーリ州保健当局 The Missouri Department of Health and Senior Services (DHSS) により確認された。患者はその後死亡した。感染源は現在調査中であり、初期情報では湖水中のアクティビティ中の暴露が疑われている。このアメーバは水温が高い淡水中に多く見られるが、感染はきわめて稀と説明されている。
● レジオネラ症 米国 (NEW YORK CITY)
Summary
Central Harlem におけるレジオネラ肺炎アウトブレイクにより複数の死亡が発生した。保健当局が感染源を調査しており、冷却塔との関連が確認されている。菌の DNA 解析により、原因となった冷却塔が特定された。
● サルモネラ感染症 米国
Summary
サルモネラ感染症アウトブレイクの発生が続いている。冷凍食品がアウトブレイクの原因と確認されている。
● 日本脳炎 ネパール
Summary
the Nawalpur district において、蚊族が媒介する脳のウイルス感染症により1名が死亡し、ほか複数の感染が確認されている。モンスーン期と蚊族の個体数増加により、さらに感染が拡大するおそれがある。
● アフリカ豚熱 ベトナム (DAK LAK)
Summary
Dak Lak province が地域内でアウトブレイクが発生したアフリカ豚熱への対応に追われている。
● ブルセラ症 米国 (MONTANA)
Summary
モンタナ州の肉用ウシ1頭のブルセラ症検査が陽性となり、安楽死処分となった。発生のあった群れは隔離されている。