デング熱 ツバル、ナウル
○ デング熱 ツバル、ナウル
ツバル
Summary
6月25日、保健当局がデング熱（2型ウイルス）アウトブレイク a dengue (DENV-2) outbreak on Funafuti を宣言した。9月8日時点で、152例 confirmed cases が報告されており、多くが14歳未満の患者で、Funafuti から Nanumaga and Nukufetau に拡大している。
Key findings
The Tuvalu Department of Health declared a dengue outbreak on 5 June 2025.
・9月7日の時点で、検査が行われた482 suspected cases のうち 152例の陽性が確認された confirmed positive。
・アウトブレイク開始時は Funafuti, the main island の患者が確認されていたが、the outer islands of Nanumaga and Nukufetau からも報告されている。
ナウル
Summary
9月9日の時点で、小児を中心に446例のデング熱が報告され、2例の死亡があった。2型デングウイルスが関係し、島全体に波及し都市部 urban centers such as Aiwo and Meneng で発生している。初発患者の発生は2025年6月である。推定人口は1万1988人で、各種の対策が実施されている。
Nauru: updated case numbers, public health impact, and response measures
Key findings
・9月5日時点で 446 confirmed Dengue cases and two fatalities.
・The majority of cases (76%) は18歳未満、特に aged 5-10
・DENV-2 was confirmed as the circulating serotype.
・A declining trend in cases was observed, however, the red alert for DENV-2 is maintained.
情報源 ReliefWeb 2025年9月9日
Epidemic and emerging disease alerts in the Pacific as of 9 September 2025
Nauru:
国立病院 the Republic of Nauru (RON) Hospital で6月27日、デング熱患者が初めて報告された。9月5日までに、保健省により 446 dengue cases out of the 1,483 tests conducted が確認されている。7月30日に15歳の少年と17歳の少女の2例の死亡が確認された。
患者の大部分が5-10歳の小児で、18歳未満の患者が全体の76％を占めている。
島全体で患者が確認されているが、主に Aiwo, Denigomodu, Meneng, Buada, Anetan, Boe and Baitsi の患者である。
The red alert for DENV-2 is maintained*.– Sources:* Nauru Bulletin Issue 11 and Dengue Fever Outbreak Situation Report #58 (6 September) shared with PPHSN Coordinating Body focal point on 8 September 2025.
● 原因不明の疾患 ナイジェリア (ADAMAWA)
Summary
the Malabu community におけるブルリ潰瘍が疑われるアウトブレイク a suspected outbreak of Buruli ulcer に、州当局 The Adamawa State government が対応している。
● 重症熱性血小板減少症候群 日本
Summary
今年のダニ媒介性疾患が記録的な症例数であると、研究所が報告した。
情報源 Japan Broadcasting Corporation (NHK) 2025年9月9日
Cases of tick-borne infections in Japan reach record high
重症熱性血小板減少症候群 Severe fever with thrombocytopenia syndrome, or SFTS により、血小板の減少、出血、意識消失などの症状がおきることがあり、厚労省によると10%から30%が死亡する可能性がある。
国立健康危機管理研究機構の発表では、8月末までの7日間に新たに4例が確認され、2025年は今日までに累計149例となり、これまでもっとも多かった2023年の年間発生数を上回っている。
西日本を中心に32都道府県から報告されており、高知県が14例、大分県が12例、熊本県と長崎県が各9例、鹿児島、島根、兵庫の各県が8例となっている。2024年まで報告がなかった、関東地方と北海道でも感染が確認されている。
● 野兎病 カザフスタン (PAVLODAR)
Summary
the Pavlodar region の2か所の村で、危険な感染症が確認されている。保健当局は住民らに対し、安全対策とワクチン接種を勧めている。げっ歯類との接触、昆虫の刺咬、汚染のある食品や水の摂取などにより感染が拡がる。
● サルモネラ感染症 米国
Summary
複数州におけるサルモネラ感染症アウトブレイクが、契約宅配のミールに関連していた。8月後半に配送された特定の食品に関係するこの疾患について調査が行われている。宅配ミール業者は自主回収を発表し、1か所の施設の操業を一時停止している。
● エボラウイルス病 コンゴ民主共和国 (KASAI)
Summary
the Kasaï province のエボラ・アウトブレイクにより、死亡と確定症例が発生している。
● 手足口病 米国 (OHIO)
Summary
Delaware County において、学校と幼稚園を中心とする手足口病の増加を受け、衛生上の注意喚起が発出されている。感染力が強い疾患で、発熱、口腔内の潰瘍、皮膚の発疹などの症状がみられる。飛沫、患者、汚染されたものなどとの接触で感染が拡がる。
● レプトスピラ症 米国 (ILLINOIS) CHICAGO
Summary
シカゴ保健当局がレプトスピラ症の増加に注意するよう市民に呼びかけている。感染動物の尿に曝露することで感染し、多くは尿に汚染された水や土壌から感染する。軽症から重症まで様々な症状で、重症例では臓器不全に至ることもある。保健当局は、汚染された水に近づかない、げっ歯類対策を行う、ハイリスクの作業では防護衣を着用する、などの予防策が勧められている。早期発見、早期治療が重要である。
● デング熱 バングラデシュ
Summary
最新報告で24時間内の新たな2例の死亡と、感染例が明らかにされた。
○ 東部ウマ脳炎 米国
Summary
2025年の州内初となる東部ウマ脳炎の地域内感染例 the first locally acquired case of eastern equine encephalitis (EEE) について、メーン州保健当局が明らかにした。8月に重い症状で発症し、現在も入院を続けている。蚊族の刺咬により伝播されるこのウイルスが、ヒトからヒトに感染することはない。陽性と考えられているが、CDC での確定診断を待っている。
Maine, USA 2025年初の、東部ウマ脳炎の地域内感染患者報告
Key findings
・メーン州保健当局から the first confirmed case of locally-acquired Eastern Equine Encephalitis (EEE) for 2025 が報告された。
・8月に発症し、現在も神経系合併症のため入院中である。
・陽性と考えられている presumptive positive pending U.S. CDC confirmation.
情報源 The Department of Health and Human Services 2025年9月9日
Locally Acquired Eastern Equine Encephalitis Virus Identified in Maine Resident
The Maine CDC urges protections against mosquito bites
AUGUSTA--
住民1名 a Maine resident が州内で東部ウマ脳炎に感染したことが確認 a locally-acquired case of Eastern Equine Encephalitis virus (EEE) されたと、州疾病対策センター The Department of Health and Human Services' (DHHS) Maine Center for Disease Control and Prevention (Maine CDC) が本日発表した。この住民は8月後半に重い症状を発症し、現在も入院中である。The EEE 検査の結果は陽性と考えられている presumptive positive が the U.S. Centers for Disease Control and Prevention による確定診断を待っている。
とりわけ豪雨のあとで蚊族媒介性疾患のリスクが高まっており、Penobscot, Piscataquis, Somerset, and Waldo Counties の各郡の感染リスク the risk for EE Eは severe と考えられている。
東部ウマ脳炎 EEE, along with Jamestown Canyon virus (JCV) and ウエストナイルウイルス West Nile virus (WNV) はすべて蚊族が媒介する。ヒトからヒトへ、またはヒトとの動物（蚊族以外）の間でウイルス感染が拡がることはない。
症状 Symptoms of EEE, JCV, and WNV として、発熱、身体の痛み、頭痛などの flu-like symptoms がみられるが、一部の患者では脳炎、髄膜炎などの重篤な症状がみられ、死亡することもある。
○ コレラ 中国
Summary
9月4日、江蘇省 Tongzhou District, Nantong City, Jiangsu からコレラ感染例が1例報告され、農産物市場 the Erjia Farmers’ Market で曝露したとみられている。患者は回復している。二次感染例は確認されていない。
Erjia Town, Tongzhou District において確定患者1例を確認
Key Findings
・On 4 Sep 2025 (18:00), Tongzhou District, Nantong City, Jiangsu reported one confirmed case of cholera.
・local authorities to carry out disinfection at the Erjia (Erjia Town) Farmers’ Market, which was identified as a suspected exposure site (not a confirmed source).
○ 百日咳 バヌアツ
Summary
8月18日、バヌアツで百日咳アウトブレイクが確認され、9月9日の時点で136例が報告され、多くが across Tanna Island and Efate の5歳未満のワクチンを接種していない乳幼児である。
Key findings
・An outbreak of Pertussis (whooping cough) is occurring on Tanna Island and Efate in Vanuatu.
・119 cases have been reported on Tanna Island and 17 on Efate, all involving unvaccinated children under five years old.
○ Jamestown Canyon ウイルス 米国
Summary
近年 cases of Jamestown Canyon virus (JCV) disease が増加しており、認識が拡がり多くの検査が行われたことにもよるが、実際の患者数も増加している可能性がある。from 2011 to 2022 の期間、全米で年平均23例の神経侵襲性感染例 cases of neuroinvasive Jamestown Canyon virus disease が報告されている。しかしながら感染しても多くの場合、症状がないか軽症であるため、医療機関を受診しておらず、実際の患者数はもっと多いと考えられる。
Vermont 州で first human case of Jamestown Canyon virus 確認、蚊族の広域調査実施中
Key findings
・バーモント州で初めてのヒトの感染例 its first human case of the Jamestown Canyon virus (JCV) が Windsor County で報告された。
・Laboratory testing confirmed the diagnosis on 08 Sep 2025.
・Jamestown Canyon virus は蚊族が媒介し、ワクチンや治療薬はない。
情報源 Vermont Department of Health 2025年9月9日
First Human Case of Jamestown Canyon Virus Confirmed in Vermont
All Vermonters encouraged to take steps to reduce the risk of mosquito bites
保健当局が the first case of Jamestown Canyon virus in a person in Vermont を確認した。蚊族の刺咬によりヒトに感染し、多くの場合発症しないが、一部はインフルエンザ様症状やより重症の症状がみられることがある。
患者は Windsor County の住民で、9月8日に検査で確認された。
多くの場合発症しないが、発熱、倦怠感、頭痛などの症状が見られることがある。免疫が低下している人や高齢者は、意識障害、けいれんなどの重症の症状を発症する可能性が高くなる。
バーモント州は今年初めて、蚊族の Jamestown Canyon virus 検査を開始したが、周囲の州では報告されており、7月には Rutland において州内初の蚊族でのウイルス確認 Vermont’s first detection of the virus が報告されたあと、mosquitoes from Marshfield and Whitingham でも確認されている。
○ レジオネラ症 米国
Summary
全米のレジオネラ肺炎アウトブレイク・クラスターリスト
Iowa, USA：州内の患者数3例に、感染源は特定されていない
Key findings
・アイオワ州保健当局 The Iowa Department of Health and Human Services (Iowa HHS) と郡保健当局 the Marshall County Public Health Department and the CDC が協力して a cluster of Legionnaires’ disease cases in north-central Marshalltown の調査を行っている。
・9月9日の時点で34 cases in Marshall County since August 2025 が報告され、1例の死亡も報告されている。
・Marshalltown Water Works が行った検査で異常は確認されず、市の飲料水 Municipal drinking water は感染源ではない。
・現在 private water and air systems, including cooling towers, hot tubs, and decorative fountains を中心に調査が行われている。
情報源 The Iowa Department of Health and Human Services (Iowa HHS) 2025年
Iowa HHS Announces Investigation of Legionnaires’ Disease Cluster in Marshalltown
● WHITE NOSE SYNDROME 米国 (WASHINGTON)、コウモリ
Summary
国立公園内のコウモリで White-Nose Syndrome (WNS) と呼ばれる真菌感染症が確認された。コウモリにとって致死性で、ヒトには感染しないが、拡大する可能性がある。
○ 炭疽 ルーマニア
Summary
Ciorăști, Vrancea County のヤギとヒツジの農場で、炭疽アウトブレイクが報告されている。
Key Findings
・The Prefecture of Vrancea County and the DSVSA Vrancea (Veterinary and Food Safety Authority) により、炭疽アウトブレイク an anthrax outbreak on a sheep and goat farm in Ciorăști が確認された。
・アウトブレイクの開始は9月2日で、同3日に細菌培養検査で確定診断された。
・農場主も炭疽と診断され現在入院治療中である。
情報源 WOAH/WAHIS
○ 高病原性鳥インフルエンザ ノルウェー
Summary
Hadsel municipality, Nordland county, Norway の養鶏場で、H5N1 高病原性鳥インフルエンザアウトブレイクが確認された。7500羽が感染し、500羽が死亡した。
Outbreak of HPAI (H5N1) confirmed in a poultry farm in Nordland county.
Key findings
・9月4日、a poultry farm in Hadsel municipality, Nordland county, Norway において、高病原性鳥インフルエンザアウトブレイク an outbreak of highly pathogenic avian influenza (HPAI) H5N1 が確認された。
・the Norwegian Veterinary Institute における a real-time PCR (polymerase chain reaction) test で確定診断され the WOAH に報告された。
・The outbreak affected 7500 poultry, with 500 fatalities reported, showing a high mortality rate among the infected birds.
情報源 WOAH/WAHIS 2025年9月8日
Norway - High pathogenicity avian influenza viruses (poultry) (Inf. with) - Follow up report 1