エボラウイルス病 コンゴ民主共和国
麻疹 米国 SSPE、オーストラリア
○ エボラウイルス病 コンゴ民主共和国
Summary
コンゴ民主共和国は、9月4日の時点で医療従事者4人を含む感染疑い例28例と15例の死亡が報告されている Kasaï Province における、エボラウイルス病アウトブレイクが宣言されたと、WHO-AFRO が発表した。発生が確認されているのは the Bulape and Mweka health zones in Kasaï Province である。
Kasaï Province のアウトブレイクによる感染及び死亡増加、医療従事者へのワクチン接種開始
Key findings
Total suspected cases: 68 (as of 08 Sep 2025)
Total confirmed cases: 20
New suspected cases (08 Sep 2025): 36
Cumulative deaths: 16 (case fatality rate: 23.5%)
Active cases in care: 9 cases of which 4 in critical care
Contacts listed: 401
Case Contacts made: 398 (99%) cases followed up of 401 identified contacts
Risk level: High
Healthcare zones affected: Four (Bulape (61 cases, 15 deaths), Mweka (4 cases, 1 death), Mushenge (2 cases), Dekese (1 case)
Timeline
20 Aug 2025: First case identified in Bulape Health Zone; patient died the same day.
26 Aug 2025: Second case reported – laboratory technician who handled the first case; died 28 Aug 2025.
27 Aug 2025: Third case – nurse who treated first case; died 01 Sep 2025.
30 Aug 2025: National Public Health Emergency Operations Center (COUSP) national activated alert mode.
03 Sep 2025: First rapid response team (EIR) deployed.
03 Sep 2025: Ebola virus (EBOV) confirmed by the National Institute for Biomedical Research (INRB)/Kinshasa laboratory using GeneXpert and Polymerase Chain Reaction (PCR) assays.
04 Sep 2025: Official epidemic declaration by the Minister of Health and activation of the COUSP response mode.
11 Sep 2025: Africa CDC provided an update on the situation based on 08 Sep 2025 numbers in their Special Briefing on Mpox & other Health Emergencies. Healthcare worker vaccination has been started. Monoclonal antibody treatments have been transported to Bulape by Africa CDC.
情報源 Reuters 2025年9月10日
Congo's Ebola-hit towns under confinement as cases tick up
1例目の患者が報告された Kasai's Bulape zone は検疫措置下にある placed under confinement 。
"藪の中に逃げ込むものもいる。It's a crisis, and cases are multiplying."
Mingambengele では 51 suspected cases and 18 deaths が確認されており、保健省からの最新報告では 32 suspected cases, 20 confirmed cases and 16 deaths とされている。
○● 麻疹 米国(2)、オーストラリア
Summary
"As of September 9, 2025, there have been a total of 1454 confirmed measles cases reported in the United States. Among these, 1433 measles cases were reported by 42 jurisdictions: Alabama, Alaska, Arizona, Arkansas, California, Colorado, Florida, Georgia, Hawaii, Idaho, Illinois, Indiana, Iowa, Kansas, Kentucky, Louisiana, Maryland, Michigan, Minnesota, Missouri, Montana, Nebraska, New Jersey, New Mexico, New York City, New York State, North Dakota, Ohio, Oklahoma, Oregon, Pennsylvania, Rhode Island, South Carolina, South Dakota, Tennessee, Texas, Utah, Vermont, Virginia, Washington, Wisconsin, and Wyoming. A total of 21 measles cases were reported among international visitors to the U.S.
ロサンゼルスの学齢期の生徒1名が亜急性硬化性全脳炎により死亡、まれであるがほぼ死亡につながる麻疹の合併症
Key findings
・ロサンゼルス Los Angeles County の学齢期の小児1名が、亜急性硬化性全脳炎 subacute sclerosing panencephalitis (SSPE) により死亡した。ほとんどの症例が死亡するまれな合併症で、乳児に麻疹に感染した数年後に発症する。
・感染した当時この小児はワクチン接種年齢に達しておらず、1回目の麻疹ワクチンを受けていなかった。
・The MMR vaccine is highly effective (one dose: 93%, two doses: 97%), and maintaining ≥95% coverage is critical to preventing outbreaks.
情報源 The Los Angeles County Department of Public Health 2025年9月11日
Public Health Reminds Residents About the Importance of Measles Vaccination Following the Death of a Child from a Measles-Related Complication
a school-aged LA County resident が、乳児期に感染した麻疹の合併症により死亡したことを受け、ロサンゼルス郡公衆衛生当局 The Los Angeles County Department of Public Health は、家族全員が麻疹ワクチンの接種を完了するよう呼びかけている。この患児は以前、12か月から15か月の接種が推奨される定期接種を受ける前に麻疹に感染していた。初感染の麻疹は治癒したが、亜急性硬化性全脳炎を発症し死亡した。
USA : (UTAH)
Summary
サイクリングのイベント後、ワクチンを接種していなかった複数の人々が麻疹に感染した。
オーストラリア (QUEENSLAND)
Summary
Far North Queensland 州保健当局が麻疹アウトブレイクを宣言し、東南アジアへの旅行者らにワクチン接種を勧めている。Cairns の患者らはバリ島からの旅行者に関連しており、さらなる感染拡大が予測されている。これとは別個の患者1例が Townsville で確認されており、海外からの旅行者に関係していた。
● 日本脳炎 インド (MEGHALAYA)
Summary
地域保健当局の責任者が日本脳炎に関する会議に出席し、ワクチンの重要性について述べた。感染が少ない地域は、ワクチン接種率が高いことによると説明した。
● ボツリヌス食中毒 中国
Summary
真空パックの調理済み食品は、特にオンラインで販売されている場合、ボツリヌス菌が産生するトキシンによる危険な病気のボツリヌス食中毒のリスクがある。この菌は真空パックのような酸素のない環境でも生存し、製造過程や包装、温度管理が不適切である場合、トキシンを産生するおそれがある。
● レジオネラ症 オーストラリア、米国
オーストラリア (QUEENSLAND)
Summary
レジオネラ肺炎の原因菌について、土壌からの曝露が従来考えていたよりも一般的であることが明らかにされた。患者数の報告が増えた前後で、血液検体中の菌の蔓延率が調べられた。1種類の菌は減少していたが、土壌中に多いもう1種類は増えていた。
米国 (IOWA)
Summary
州疫学当局者は、レジオネラ肺炎アウトブレイクの原因が冷却塔である可能性が高いとみている。
● インフルエンザ デンマーク
Summary
2025年の夏、デンマークでは季節外れのインフルエンザ・アウトブレイク an unusual influenza A(H1N1)pdm09 outbreak が発生した。音楽フェスティバルに関連し、遺伝子解析でほとんど同じウイルスによるクラスターが発生した。a potential super-spreading event が発生した可能性がある。
● 結核 コロンビア (SANTANDER)
Summary
結核アウトブレイクの発生により、刑務所の複数棟が閉鎖されている。
○● コレラ チャド、中国
チャド
Summary
チャド国内で2025年7月のアウトブレイク開始以降、1834例のコレラ感染例 cholera cases and 124例の死亡例 deaths across six eastern health districts が報告されており、ほかにも登録されていない市中の死亡例がある。ワクチン接種、治療、海外支援などの対応が患者数の減少につながっているが、国境を越える移動や貧弱な衛生インフラはさらなる感染拡大リスクをもたらせている。
東部のアウトブレイク、患者1834例と124例の死亡
Key findings
・国内の2025年1例目が記録されたのは、7月24日の Dougui refugee camp, Chokoyane health district, Ouaddaï province である。
・9月11日の時点で、six health districts in eastern Chad の地域で 1834 reported cases, 124 deaths, and 53 additional community deaths が発生している。
・ワクチン接種 vaccination (one million cholera vaccine doses deployed), ドキシサイクリン配布 doxycycline distribution, 周知キャンペーンなどが行われている。
中国 (JIANGSU)
Summary
江蘇省 the Tongzhou district of Jiangsu province において、コレラ感染が1例報告された。患者は回復しつつあり、新たな感染は確認されていない。
● 東部ウマ脳炎 米国 (MAINE)
Summary
メーン州疾病対策センターにより、州住民1名の東部ウマ脳炎感染例が確認された。現在入院中である。最近の降雨により、特定地域における感染リスクは高い。
○ ハンタウイルス 米国
Summary
米国内ではハンタウイルス感染症はまれであるが、深刻な呼吸器疾患となる。毎年、米国では20-40例のハンタウイルス肺症候群の患者が報告され、そのほとんど（95%超）が西部州と南西部州で発生している。感染のあるげっ歯類 infected deer mice (Peromyscus maniculatus) のエアロゾル化した排泄物への曝露が関係している。
メーン州でハンタウイルス胚症候群報告ー1993年のサーベイランス開始以降、州内で2例目
Key findings
9月11日、メーン州の成人住民のハンタウイルス肺症候群患者1例が確認された。メーン州では2011年以来の報告例 the first documented case of HPS in Maine since 2011 であり、1993年の全国的サーベイランス開始以降でもわずかに2例目 the second case in a Maine resident である。数週間前からの発熱、頭痛、筋肉痛、腹痛、息切れ、貧血、血小板数減少、心嚢液貯留、肺水腫、肺塞栓などの重症症状に苦しんでいた。入院し酸素投与が必要となっていたが、回復して自宅に戻っている。自宅内にげっ歯類の巣があり、最近州外に旅行したことはなかった。検査でハンタウイルス抗体 positive IgG and IgM serologies for hantavirus at a national reference lab が確認されている。
情報源 Maine Health Alert Network (HAN) System 2025年9月8日
○● 原発性アメーバ性髄膜脳炎 インド
Summary
Kerala 州で異例の数の原発性アメーバ性髄膜脳炎が報告されており、9月11日現在、Kozhikode, Kerala において18 confirmed and 34 suspected cases with six deaths が確認されているが、感染源はいまも特定されていない。
Kerala, India: 6例が死亡、18例の感染確定診断と34例の疑い例：感染源不明のまま
Key findings
・Kerala 州で1か月間に6例の原発性アメーバ性髄膜脳炎 amoebic encephalitis (Primary Amebic Meningoencephalitis, PAM) による死亡が報告された。
・18例の confirmed cases と 34例 additional suspected cases (total: 52 reported) が確認されている。
・最近の死亡例は、生後3か月から50代までの子どもと大人で、複数の持病のある患者も含まれている。
・すべての死亡例は医科大学病院 Kozhikode Government Medical College Hospital に入院; the outbreak affects Kozhikode, Malappuram, and Wayanad districts.
・The source of infection remains unidentified.
情報源 The Economic Times 2025年9月11日
Kerala reports sixth death from rare brain-eating infection: What you need to know
Summary
Kerala 州で致死性感染症が拡がっている。脳食いアメーバによるこの病気は、鼻から入った汚染された水が原因で感染する。頭痛、発熱や神経症状を発症する。感染源は確認されていない。
○ デング熱 サモア
Summary
サモアで2025年、1万2千例を超えるデング熱が報告されており、15歳未満の小児が73％を占めている。公衆衛生対策により、9月までに著しく減少している。感染の大部分が1型ウイルス DENV-1 による。
Samoa 感染例1万2千例を超え死亡6例：新規感染例減少するも感染リスク継続
Key findings
・8月31日、1万2025例のデング熱が臨床的に診断され、3630例が検査で確定され、6例の関連死が発生したと保健省から報告された。
・15歳未満の小児が 73% of all reported cases を占めている。
・The circulating serotypes are mainly DENV-1 (91%), with DENV-2 making up the remaining (9%).
情報源 reliefweb 2025年9月9日
Epidemic and emerging disease alerts in the Pacific as of 9 September 2025
8月31日、保健省 Samoa Ministry of Health が合計1万2,025例のデング熱 clinically diagnosed dengue cases since January, including 3,630例の検査確定例 lab-confirmed cases, with 6例の関連死 six dengue-related deaths があると報告した。
15歳未満の小児が 73% of cases を占めており、循環する血清型 the circulating serotypes は predominantly DENV-1 (91%) and DENV-2 (9%) である。
新規感染例 1,043 new clinical cases and 251 lab-confirmed は前週 the previous EpiWeek から20％減少し、入院患者数は 11%減少, with 163 new admissions, 156 discharges, and 49 patients still hospitalised, none in ICU となっている。
最も感染が深刻な地区は Anoamaa (62 cases) in Upolu and Palauli (31 cases) in Savai’i である。
The red alert for DENV-1 and DENV-2 is maintained.
○ 狂犬病 タイ
Summary
Bangkok and Samut Prakan において狂犬病アウトブレイクが報告されており、複数の地区が流行ゾーンに指定されている。30日間の動物の移動禁止が発効しており、ペットのワクチン接種、飼い主のいない動物の回避などが呼びかけられている。
狂犬病アウトブレイクの発生により、Bangkok and Samut Prakan コントロール対策実施
Key findings
・multiple districts of Bangkok and neighboring Samut Prakan において狂犬病の発生が確認されている。
・イヌ及びネコの狂犬病検査陽性が確認され、5km圏内の流行ゾーン a 5-kilometre epidemic zones around Soi Chaloem Prakiat Rama 9 Soi 49, Nong Bon subdistrict, Prawet district が設定された。
・High-risk areas include Nong Bon, Dok Mai, Prawet, On Nut, Phatthanakan, Thap Chang, Lat Krabang, Bang Na Nuea, Bang Chak, Bang Kaeo, and Racha Thewa, spanning Prawet, Suan Luang, Saphan Sung, Lat Krabang, Bang Na, Phra Khanong (Bangkok), and Bang Phli (Samut Prakan).
● 鳥インフルエンザ ノルウェー (NORDLAND)
Summary
the Bodø municipality of Norway の野鳥の間で、鳥インフルエンザが確認されている。 the Salten region において、他の発生は確認されていないが、 a significant outbreak in Troms and Nordland である。