マラリア モザンビーク
デング熱 クック諸島、中国
麻疹 オーストラリア、フランス、米国
○ マラリア モザンビーク
Summary
Niassa Province, Mozambique において、2025年1月から8月までの間に44万8526例のマラリア感染と99例の死亡が報告され、2024年比で62.3%の増加となっている。国内に今も常在しており、季節性の降雨による感染伝播増加、蚊族の大発生、医療アクセスの制限が相まっている。
Niassa Province で1月から8月までに44万8526例と死亡99例発生、2024年同期比63%増加
Key findings
・Niassa Province, Mozambique, recorded 448 526 malaria cases and 99 deaths in the period January–August 2025.
・広報担当局 The provincial communiqué によると前年同期比 a +62.3% increase vs the same period in 2024.
Several outlets relayed the figures from the Niassa Provincial Executive Council note (dated 10 Sep 2025).
・全国では600万例以上の感染と270例の死亡が報告されている reported Jan–May 2025.。
○ デング熱 クック諸島、中国
クック諸島
Summary
2025年2月以降、Rarotonga から137例のデング熱患者が報告されており、現在19例の活動性感染例と、9月初旬の新たな7例の感染が確認されている。ほとんどの症例は軽症で死亡例は発生していない。
Rarotonga, Cook Islands 最新情報:2月以降137例報告
Key findings
・Rarotonga において2月以降、合計137例のデング熱感染が報告されている。
・9月10日現在、nineteen cases are currently active.
・9月8日の更新以降、新たに7例が報告
・流行開始以降、19例が入院
・多くが軽症で、重症例と死亡例は報告されていない
情報源 TMO 2025年9月10日
Dengue Status Update #33
Te Marae Ora (TMO) wishes to provide an update on the ongoing dengue situation currently affecting Rarotonga.
137 cases have been recorded since Feb 2025
19 currently active as of 12pm today
7 new cases since last media release on Monday Sept 8th 2025
118 have fully recovered.」
中国 (HONG KONG)
Summary
新たな輸入感染例のデング熱が確認されている。今年はチクングニアの輸入感染例も確認されている。
○● 麻疹 オーストラリア、フランス(2)、米国
オーストラリア
Summary
2025年9月、クイーンズランド州・ケアンズで麻疹・地域内感染例1例が確認されており、これまでの輸入感染例および同関連感染例とは異なる発生となった。予防接種率は概して高いが、一部地域の集団免疫が閾値以下であり、長時間の市民への暴露があったことから、さらなる感染伝播が懸念されている。Western Australia and Victoria においても輸入感染例関連の症例が報告されている。
Cairns and Townsville, North Queensland の麻疹の地域内感染例確認、国内で輸入感染例増加
Key findings
・9月11日、ケアンズにおける麻疹域内感染例 a locally transmitted measles case in Cairns, on the northeastern coast of Queensland が報告された。
・ケアンズでは今年に入って4例目で、これまでの3例はインドネシア・バリ島からの輸入感染例で、最新の症例は輸入感染例の濃厚接触による二次感染例であった。
・Townsville, 350km south of Cairns においても、輸入感染例1例が確認されている。
・約5年ぶりの地域内感染例で、2週間近くにわたって数々の公共スペースにおいて感染性のある状態にあった。
・Public health alerts list multiple exposure sites and specific dates/times in Cairns (late August to 10 September) and Townsville (30 August to 11 September).
・クイーンズランド州のワクチン接種率は2歳児において約 90.3% であるが、一部地域 (including parts of North Queensland and Noosa) では 90% を下回り as low as 85% となっており、集団免疫の閾値以下 below the 95% herd immunity threshold とのデータが示されている。
・2025年現在、地域内麻疹感染が確認されているのは、東南アジア(とりわけインドネシア・バリ島、タイ、マレーシア、ベトナム、(他の)インドネシア)とオーストラリアの他の都市 (Perth, Melbourne) である
情報源 Queensland Health 2025年9月11日
Measles alert for Cairns
情報源 Queensland Health 2025年9月11日
Measles alert for Townsville
フランス
Summary
2025年1月から8月までの期間に、フランス国内で828例の麻疹感染が確認され、2024年1年間の約2倍近い患者数となっている。ワクチンを接種していない2名の死亡が発生している。5月以降減少しているが、クラスターやワクチン接種の不足などが公衆衛生上の脅威となっている。
国内で深刻な麻疹再興、8月31日時点で828例と死亡2例:減少傾向なるも、クラスター発生とワクチン接種率の地域差のこる
Key findings
・Between 01 Jan and 31 Aug 2025、フランス国内で 828 confirmed measles cases が報告され、the total of 483 cases in 2024 を超えている。
・Two deaths occurred among immunocompromised individuals.
・35% of cases (289 individuals) が入院となり、うち12例が集中治療室入院だった。
・13% (111 cases) が肺炎 pneumonia (65 cases) と脳炎 one case of encephalitis などの合併症を発症した。
・Children aged 1–4 years (15%), teenagers aged 15–19 years (12%), and adults aged 40 years and older (14%) were the most affected age groups; the median age was 16.6 years(年齢の中央値は16.6歳)。
・ワクチン接種状況が判明した患者の65%が、ワクチン未接種または未了であった。
・across 70 departments にアウトブレイクが拡大し、the largest clusters が Nord, Bouches-du-Rhône, Aude, Haute-Savoie, and Isère で発生し、8月後半の時点で3件のクラスターが active の状況にある。
・2025年5月以降流行は減少局面に入ったが、8月にも新たに23例が報告された。
Summary
2025年、フランス国内の麻疹感染例が前年に比べて著しく増加している。ワクチン接種率の低下と世界の発生状況が関係している。最近は減少しつつあるが、幼いこどもや若年者は特に重症の合併症や入院につながるおそれがある。
米国 (CALIFORNIA)
Summary
麻疹関連の合併症による小児の死亡例が1例発生したことを受け、家族全員の麻疹ワクチン接種の確認を公衆衛生当局が求めている。
● レプトスピラ症 米国 (ILLINOIS)
Summary
レプトスピラ症の報告が増える中、関連死亡の1例について、シカゴの保健当局が明らかにした。動物の尿を介して感染が拡大し、ヒトと動物のいずれも感染する。症状は2相性で、重症例では重篤な合併症につながる恐れがある。
● サルモネラ感染症 オーストリア SEROTYPE KENYA、ウクライナ
オーストリア
Summary
複数国における、まれなサルモネラ菌による感染症アウトブレイクの調査が続いている。オーストリアにおいても複数の地域で報告されており、入院患者が発生している。感染源は現在不明であるが、欧州内の他国でも同じ菌による感染例が報告されている。
ウクライナ (CHERNIHIV)
Summary
the Chernihiv region の学校の生徒の間でサルモネラ感染症アウトブレイクが発生している。
● エムポックス ガーナ
Summary
ガーナ国内のエムポックス感染例の増加が報告されている。
● エボラウイルス病 コンゴ民主共和国 (KASAÏ)
Summary
コンゴ民主共和国で新たに発生したエボラ・アウトブレイクは、同地域では数年ぶりのアウトブレイクで、複数の地区に拡大した。辺鄙な地域での発生、貧弱なインフラ、地域内での紛争など困難な問題が存在する。
● 下痢症 バングラデシュ (RAJSHAHI)
Summary
Natore Municipality において、下痢症アウトブレイクが発生した。水の汚染が疑われており、消毒用のタブレット water purification tablets、経口補水薬 oral saline、医薬品などが配布されている。
● 外来種ダニ 米国 (MAINE)
Summary
メーン州でははじめてとなる外来種のダニ An invasive tick species が発見され、米国内ではもっとも北東部での確認となった。東アジア原産のこのダニは疾患を伝播し、交尾することなく繁殖する能力がある。
○ ノロウイルス 中国
Summary
遼寧省の大学 Shenyang Normal University in Liaoning, China において、大規模ノロウイルス胃腸炎アウトブレイクが発生した。8月31日に開始し、2087人の学生が発病した。ほとんどが軽症で、9月7日までに1817人が回復した。感染はピークを超え、感染源として貯水施設の汚染が確認された。
大学構内の井戸の汚染によるアウトブレイクで2000人以上が感染
Key findings
・A major outbreak of gastroenteritis was reported at Shenyang Normal University in China, caused by water contaminated with norovirus.
・8月31日に大規模急性胃腸炎アウトブレイクが確認され、2087例の学生が嘔吐と下痢症状を訴えた。
・9月7日の時点で270人の症状が持続している。アウトブレイク関連の死亡は報告されていない。
・いずれも軽症で、アウトブレイクはピークを過ぎ、新規感染例は減少傾向にあるが、過去24時間に新たに25例が報告されている。
・井戸の汚染 A contaminated water well が感染源と確認された。
● 狂犬病 米国 (SOUTH CAROLINA)、タイ
Summary
Horry County の1匹のノラネコが2人と2匹のペットを襲い、狂犬病検査で陽性となった。このネコは a local colony の中の1匹でワクチンを接種していなかった。郡内では今年2例目の狂犬病感染例である。
Summary
狂犬病アウトブレイクの発生を受け、バンコクの当局が一部地域に対し一時的な流行ゾーンを宣言した。特定の動物は30日間移動が禁止される。
● 鳥インフルエンザ 韓国、アルゼンチン HPAI, H5N1
SOUTH KOREA (GYEONGGI 京畿道) H5-TYPE
Summary
The Ministry of Agriculture, Food and Rural Affairs confirmed the presence of an H5-type avian influenza antigen at a poultry farm.
ARGENTINA (ENTRE RIOS) , HPAI H5
Summary
SENASA confirmed and controlled an avian influenza outbreak in the Nogoyá department of Entre Ríos province.
●○ ブルータング スロベニア、ハンガリー
Summary
Bluetongue disease has been confirmed in wild game animals in Slovenia, following its spread among domestic ruminants.
Detection of bluetongue virus serotype 3 in a cattle farm in Somogy County, Hungary
Key findings
・Bluetongue disease serotype 3 (BTV-3) has been confirmed in cattle in Kadarkút, Somogy County.
・The outbreak affects 303 susceptible cattle, with 15 confirmed cases to date.
・Bluetongue virus previously affected Hungary in 2014–2015, making this the first detection of the disease in nearly a decade.
情報源 WOAH/WAHIS 2025年9月10日