○● エボラウイルス病 コンゴ民主共和国
Summary
コンゴ民主共和国保健当局が、エボラウイルス病アウトブレイク an outbreak of Ebola virus disease in Kasaï Province を宣言し、9月15日までに54例の感染が確認され、27例の死亡が報告されていると、WHO-AFRO (in French) が明らかにした。the Bulape health zone in Kasaï Province において発生が確認されている。
ウイルスの遺伝学的解析により、a new spillover event であることが示唆されている。
エボラウイルス病・最新情報、ワクチン接種と接触者追跡
Key findings
・9月4日、保健省 the Democratic Republic of the Congo (DRC) Ministry of Health がエボラウイルス病アウトブレイク an Ebola virus disease (EVD) outbreak in Kasai province, centered in the Bulape Health Zone を宣言した。
・9月15日に発行された WHO の its external situation report の中で、9月14日現在 54 cases (35 laboratory-confirmed) and 27 deaths (16 among confirmed cases) が確認され、致死率が50%となっていると報告されている。
・各保健当局から報告される数値に齟齬があり、感染が疑われる症例数は81例に達している。
・4人の医療従事者が含まれ、院内感染伝播が発生したことが確認されており、複数の看護師と検査技師1名が死亡した。
・初発患者は Tshitekeshi の妊婦で、急性出血症状で入院後に死亡した。
・遺伝子解析により a new zoonotic spillover であり、過去の地域内アウトブレイクとの直接の関連はないことが示唆されている; the virus shares 99.5% similarity with the 1976 Yambuku-Mayinga outbreak strain.
・885人以上の接触者のうち; 715 (81%) were followed up as of 14 Sep 2025 がフォロー中。
・rVSVΔG-ZEBOV-GP (Everbo) を用いたリングワクチン接種キャンペーンが Bulape で開始: 133 healthcare/frontline workers and 150 contacts vaccinated; logistical efforts are ongoing to expand supply.
・はじめての回復患者2名が the treatment centre in Bulape health zone から退院した。
情報源 WHO 2025年9月15日
Summary
コンゴ民主共和国国内で、エボラ、エムポックス、コレラなど複数のアウトブレイクが発生しており、政府当局によりワクチン接種キャンペーン、機材の配布、サーベイランス強化が行われている。一部に改善が見られるが、治安状況によりアクセスが難しい地域などでは依然として懸念される状況が続いている。
○● 麻疹 イスラエル
Summary
4月のアウトブレイク開始以来、9月16日現在、イスラエル国内で1251例の麻疹が報告され、死亡例2例が含まれている。ワクチン接種率が低いコミュニティーに集中しており、全国的な接種キャンペーンが行われている。
新たに481例の麻疹が報告され合計1251例に 死亡2例
Key findings
・国内で麻疹アウトブレイク an active measles outbreak in the communities of Beit Shemesh, Bnei Brak, Harish, Jerusalem, Modi'in Illit and Nof HaGalil が発生している。
・4月初旬のアウトブレイク開始以来、合計1251例 confirmed cases が報告されており、最近にも 481 new cases が報告されている。
・アウトブレイクにより、いずれもワクチンを接種していなかった生後18か月と2歳の男児が死亡している。
・29人が現在入院中で、ほとんどが6歳未満の幼児で、5人が集中治療 intensive care (one on ECMO、人工肺) を受けており、多くが麻疹アクチンを接種していなかった。
Summary
4月以降、イスラエルにおいて麻疹感染例の増加があり、全国的なワクチン接種キャンペーンが行われている。アウトブレイクにはしばしば、ワクチン接種率が不十分であることが関係しており、接種率を高く維持することの重要性が示されている。
● ビブリオ・バルニフィカス感染症 米国 (ALABAMA)
Summary
アラバマ州の女性が、ボート漕ぎの際に足をケガしたあと、深刻な感染症を発症した。このケガはすぐに、入院と外科手術が必要な感染症につながった。1週間後に退院し、現在も治療が続いている。
● 日本脳炎 ネパール
Summary
the Chitwan district で今年、日本脳炎による複数の死亡が発生している。同地区内の複数の自治体の住民らが感染している。
● ボレアル・ポックス 米国 (ALASKA)
Summary
Borealpox virus(感染症)は2015年にはじめてアラスカ州で発見された、オルトポックスウイルスが原因の疾患である。2023年までの新たな6例について、ウイルスの起源と伝播の調査として、患者からの聞き取り、小型ほ乳類の捕獲、ウイルスの遺伝子解析が行われた。その結果、同疾患は人獣共通感染症であることが示唆され、小型ほ乳類が保有宿主である可能性がある。ほとんどの場合軽症となるが、免疫が低下している場合は重症化するおそれがある。
○● サルモネラ感染症 カナダ(3)
Summary
This is a collection of Salmonella cases, clusters and outbreaks in Canada.
サルモネラ感染症アウトブレイクで27人の感染、6人の入院 ドッグフートに関連
Key findings
・合計27例のサルモネラ感染症の症例 laboratory-confirmed cases of Salmonella Oranienburg infection が4つの地域 across four Canadian provinces and territories: Alberta (13), British Columbia (12), Ontario (one), and Northwest Territories (one) で報告されている。
・年齢は0歳から87歳までと幅広く、発症日は from mid-February to mid-August 2025 である。
・多くの患者がドッグフードとおやつ, including kibble, dehydrated, and freeze-dried products を直接手で扱ったことを報告している。
・感染源として共通する単一の供給元は特定されていない。
情報源 Public Health Agency of Canada 2025年9月15日
Public Health Notice: Outbreak of Salmonella infections linked to dog food and treats
At a glance
感染予防のため
Individuals are advised to practice good hand hygiene and frequent handwashing after contact with dogs, their food and treats.
Summary
サルモネラ感染症アウトブレイクと、ドッグフード dog food and treats の汚染との関連が確かめられている。食品監視当局は、イヌとの接触やその餌を触ることで感染したおそれがあると報告している。イヌおよびその食べ物を触る際に衛生に気をつけるようアドバイスされている。サルモネラ感染症の症状は通常、曝露の6から72時間以内に発症する。
CANADA: PISTACHIO PRODUCTS, MORE CASES
Summary
サルモネラ感染症アウトブレイクとピスタチオ製品との関連が確かめられており、多数の商品回収が行われている。
○ 原発性アメーバ性髄膜脳炎 パキスタン
Summary
2025年9月、Karachi の29歳男性がアメーバ感染 Naegleria fowleri infection により死亡した。死後剖検により確定診断され、今年の Sindh 州で5例目の死亡となった。
患者の多くが17歳から36歳までの青少年と若年成人で、今回の症例は、ふだんどおりの現地の水の利用に関係しており、水のレクリエーションによる曝露ではなかった。
2025年のカラチで5例目のNaegleria fowleri による死亡報告
Key findings
・Karachi’s District Central の29歳男性が9月7日に発病し、同11日に入院となり、12日に死亡した。死後剖検で Naegleria fowleri infection と確定診断された。
・この患者について判明している唯一の曝露は、いつも利用する水道水の飲水と水浴で、水泳やその他の水が関係するアクティビティはしていなかった。
・州内で5例目 the fifth N. fowleri–associated death in Sindh province in 2025; all occurred in Karachi.
・2024年は全国で5例 N. fowleri-related deaths, four in Karachi and one in Hyderabad.
○ 性感染症 オーストラリア
Summary
オーストラリア国内で性感染症の著しい増加が記録されており、梅毒と淋病の症例は過去10年間で2倍以上となっている。先天性梅毒の再興があり、2015年以降、34例の新生児死亡があり、半数以上がオーストラリア先住民で発生した。HIV と診断される症例は減少しているが、依然として診断の遅れがあり治療の効果が限定されている。2025年8月、the Chief Medical Officer が梅毒について a Communicable Disease Incident of National Significance を宣言し、出生前スクリーニングの強化、検査対象の拡大、文化に合わせたケアの必要性が強調されている。
梅毒と淋病、オーストラリアで過去10年間に倍増 先天性梅毒の懸念される増加
Key findings
・2024年、オーストラリア国内で5866例の梅毒の診断例 syphilis diagnoses があり、 10年前の2倍以上となった。女性の感染例は4倍増で先天性梅毒の増加につながっており、2015年の2倍以上で34例の新生児の死亡があり、半数以上が先住民 among First Nations Australians で発生した。
・淋菌感染例 Gonorrhea cases も過去10年で2倍以上の 4万4210例 in 2024 に達し、男性に多く、先住民は非先住民の4倍近い感染率となっている。
・クラミジア Chlamydia は10万1742 cases in 2024 で、依然として性感染症としてもっとも多く発生 the most commonly diagnosed sexually transmitted infection (STI) しており、約半数が among people aged 20–29 years である。
・HIV diagnoses declined by 27% over the past decade, with 757 cases reported in 2024. However, nearly one-third of these diagnoses were classified as late, limiting treatment and prevention benefits.
・すべての主な性感染症について、オーストラリア先住民 First Nations Australians の、特に辺境地 remote and regional areas の在住者は、non-Indigenous populations と比べて不均衡に高い感染率となっており、梅毒は5倍以上、淋病は約4倍、クラミジアは2倍以上となっている。
・STI の検査を一度でも受けたことのある16-49歳の割合はわずか16%で、かかりつけ医に sexual health を相談したことがある人は半数にとどまっている。
・In August 2025, the chief medical officer declared syphilis a Communicable Disease Incident of National Significance in response to the increasing number of congenital infections.
情報源 the Kirby Institute 2025年9月15日
Increases in syphilis and gonorrhoea, chlamydia stable and HIV decline
Australia's 2024 Sexual Health Check-up
・オーストラリア国内で、5866例の梅毒診断例が発生し、過去10年間に約2倍に増加した。
・先天性梅毒症例は2015年から2倍以上となり、過去10年間に先天性梅毒により34人の新生児が死亡した。
・4万4210例の淋病診断例が発生し、10年間で症例数は2倍となった。
・クラミジア診断例は10万1742例で、約半数が20歳から29歳だった。
・オーストラリア先住民の性感染症発生率が高い状態が続いている。
・757 HIV diagnoses, a 27% decline over the past decade.
情報源 Kirby Institute
National surveillance data
○ 炭疽 ボスニア・ヘルツェゴビナ
Summary
An anthrax outbreak occurred in the Bosansko Grahovo Municipality of Bosnia and Herzegovina in August 2025, resulting in the death of 11 out of 55 cattle.
情報源 WOAH/WAHIS 2025年9月15日
● キャッサバの病気、cassava brown streak disease ガーナ
Summary
A workshop organized by the West African Virus Epidemiology project (WAVE) has alerted Ghana to the potential threat of cassava brown streak disease (CBSD).
● バナナの病気、BLACK SIGATOKA コスタリカ
Summary
The National Banana Corporation is providing support to producers through technical assistance, focusing on strengthening disease control measures and developing more resistant varieties. While a slight production recovery is anticipated in the latter half of 2025, projections for 2026 indicate a decrease in fruit availability.