ウエストナイルウイルス ギリシャ
ビブリオ・バルニフィカス感染症 韓国、米国
エムポックス 日本 clade Ib
○ ウエストナイルウイルス ギリシャ
Summary
2025年初以降、ギリシャ国内で合計83人がウエストナイルウイルス感染症と診断され、うち68例は中枢神経症状を伴う重症例であった。ウイルスが確認されているのは、国内の 37 municipalities across 20 Regional Units の地域である。
ギリシャ国内において、9月17日までに83例のウエストナイルウイルス国内感染例と7例の死亡が報告されている。
Key findings
・Eighty-three (83) laboratory-confirmed, locally acquired cases of West Nile virus (WNV) infection have been reported in Greece during the 2025 transmission season up to 17 Sep 2025.
・このうち68 cases に神経侵襲性症状 (脳炎、髄膜炎、急性弛緩性麻痺) がみられ、15例は軽症もしくは中枢神経症状なしの患者である。
・7例の死亡例が発生し、いずれも65歳超の neuro-invasive disease の患者である (median age of death: 80 years, range: 66–86 years)。
・9月17日までの1週間に、新たに8例の感染と2例の死亡が記録された。
・確定診断された患者の発生地域は thirty-seven (37) municipalities across twenty (20) regional units, including urban and rural regions such as Athens, West Attica, Piraeus, Aetoloakarnania, Evros, and more である。
・Two (2) additional imported cases (one from Serbia, one from Italy) have been reported but are not included in the local case tallies.
・Kavala, Aetoloakarnania, and Arkadia において、5頭のウマの感染が記録されている。
情報源 National Public Health Organization 2025年9月17日
Weekly Epidemiological Report for West Nile Virus infection, Greece, 2025- 17 September 2025 -
○● ビブリオ・バルニフィカス感染症 韓国、米国
韓国
Summary
2025年1月から8月までの期間に、韓国の国内でビブリオ・バルニフィカス菌敗血症 Vibrio vulnificus septicemia cases 患者の増加があり、19例の感染のうち8例の死亡が確認され、致死率は42.1%となっている。海水温の上昇が菌の増殖を招いたことが関連する。生または加熱不十分なシーフードの摂取と、汚染のある海水への暴露により、特に肝疾患や糖尿病のあるハイリスクのグループが感染する。症状として、突然の発熱、悪寒、皮膚病変などがみられるが、人から人に感染伝播することはない。
韓国国内の海水温の上昇に伴い19例のビブリオ・バルニフィカス菌敗血症が報告、8例死亡
Key findings
・2025年の韓国で8月までに19例のビブリオ・バルニフィカス敗血症が報告され、8例が死亡し致死率は42.1%
・発生月別では5月に1例、6月と7月は各2例、8月は14例で、8月から10月の季節性ピークに一致
・すべての死亡例は、肝疾患、がん、糖尿病、アルコール依存などの持病のあるハイリスクグループ
・2024年同期に発生した21例との比較で9.5%減少したが、依然として致死率は高い。
・2024年は9月に最多の症例数を記録し、12月まで発生が続いた。
情報源 Korea Centers for Disease Control and Prevention. Press release. Increasing incidence of vibriosepsis, high-risk groups need to be paid attention to. 16 Sep 2025 (in Korean) 2025年9月16日
米国 (LOUISIANA)
Summary
ルイジアナ州保健当局が住民に対しビブリオ・バルニフィカス感染症への注意を呼びかけている。特に暑い季節の海水には多数存在する細菌で、海水に開放創が触れたり、生や加熱不十分なシーフードの摂取を介して感染する可能性がある。胃腸炎症状から生命に関わる重症例まで幅広く、健康状態によってよりハイリスクとなる。
○ エムポックス 日本
Summary
日本国内ではじめてとなる、神戸市の20代女性の the clade Ib strain によるエムポックスの症例が確認され、アフリカからの輸入感染例とみられている。状態は安定しており、9月16日までの時点で二次感染伝播は報告されていない。9月12日までに日本国内で合計255例のエムポックスが報告されており、死亡した1例は Clade Ib 感染例ではない。
日本初の clade Ib が報告、海外旅行関連
Key findings
・日本国内初の、神戸市在住の20代女性の the Clade Ib strain による感染例が確認
・女性はアフリカ渡航後に発疹、発熱、水疱、リンパ節腫脹などの症状を発症した。
・9月12日に医療機関を受診し、同13日に検査で感染が確認された。
・the only Clade Ib case in Japan; the country has recorded a total of 255 mpox cases, including one death not associated with Clade Ib.
情報源 厚労省 2025年9月16日
エムポックス(クレードⅠb)の患者の発生について
海外渡航歴のある女性1名について、発疹等の症状を示し、検査の結果、エムポックス(クレードⅠb ※)の感染が確認されたことが、本日、神戸市から公表されました。
これまで日本国内において、エムポックスの患者は 254 例確認されていましたが(令和7年9月12 日時点)、クレードⅠ(Ⅰb)ウイルスによる感染は確認されておらず、本事例は国内で初めてエムポックス(クレードⅠb)と報告された患者となります。
この患者に関する情報は、以下のとおりです。
1 年代:20代
2 性別:女性
3 症状:発疹、発熱、リンパ節等
4 医療機関受診日:9月 12 日
5 海外渡航歴:あり(アフリカ)
6 その他:報告された発症日から、アフリカでの感染が推定される。
患者の状態は安定している。
● リステリア症 デンマーク
Summary
リステリア症アウトブレイクが、調理済みの魚のすり身食品 ready-to-eat fish cakes に関係しており、複数の感染例が確認されたアウトブレイクの調査がおこな笑えている。患者から検出された菌と the fish cakes の菌が一致したことから、商品回収が行われている。
● ラッサ熱 ナイジェリア
Summary
複数の州にまたがってラッサ熱感染の増加が起きている。感染のあるげっ歯類との接触や、ヒトの間で感染が拡がり、発熱や出血の症状がみられる。
● 結核 オーストラリア (NEW SOUTH WALES)
Summary
シドニーの保育センター内の1名の感染が確認されたことから、職員と園児らの結核スクリーニングが行われている。感染伝播リスクは低く、リスクの継続はないとされている。2段階でスクリにーングが行われており、皮内反応と幼児に対する感染予防薬 potential preventative antibiotics である。
● オピストルキス症 ロシア (RYAZAN)
Summary
Ryazan の31歳女性が、体力低下、腹痛、下痢の症状で入院した。検査の結果、寄生虫感染症のオピストキルス症 opisthorchiasis と診断された。調理が不十分な川魚の摂取が関係する。
● レジオネラ症 米国 (NEW YORK)
Summary
Westchester County 保健当局から、レジオネラ肺炎の症例の増加が報告されており、1か所の市で新たなクラスターが発生している。冷却塔の検査など、感染源の調査が行われている。
○ 麻疹 アンゴラ
Summary
2025年1月以降、Huambo province, Angola において、1000例を超える小児の麻疹感染と47例の死亡が報告されており、ワクチン接種率が低いことが今回のアウトブレイクの要因となっている。Cuanza Sul and Luanda provinces においても同様の増加傾向がみられており、感染伝播が継続するリスクは高い。
Huambo province, Angola で1月以降1000例超の麻疹が記録、47例の死亡報告
Key findings
・2025年1月から9月17日までに、Huambo province において1000例を超える小児の麻疹が記録され、47例の死亡が発生していると、現地メディアが伝えた。over 1000 measles
・Huambo のアウトブレイクは小児の定期接種遵守率が低いことが原因とされている。
情報源 WHO Africa 2025年7月29日
Measles outbreak threatens public health in Cuanza Sul
○ Q熱 オーストラリア
サウス・オーストラリア州で予測される春の感染増加を前に Q熱に関する注意喚起発出、2025年のこれまでに18例確認
Key findings
・18例の Q fever cases in South Australia in 2025 so far が確認されているが、過去は 23 total cases in 2024, 21 in 2023, and 6 in 2022 であった。
・Q fever は細菌 Coxiella burnetii を原因とし、ヒトの主な感染経路は、菌を含むダストや感染のある家畜(主にヒツジ、ウシ、ヤギ)からのエアロゾルの吸入による。
・感染しても半数は無症状であるが、インフルエンザ様症状から重症の肺炎、肝炎、慢性疲労など重症、まれに急性感染の最大2%の死亡などの症状がみられる。
・Over half of detected infections are asymptomatic, while symptomatic
○ ブルータング イタリア
Summary
An outbreak of bluetongue disease has been confirmed in a sheep flock in Muggia, Trieste Province, Friuli Venezia Giulia.
情報源 WAOH/WAHIS 2025年9月16日
○ 高病原性鳥インフルエンザ 米国 H5N1
Summary
The highly pathogenic avian influenza (HPAI) H5N1 strain, found in wild birds worldwide, is causing outbreaks in US poultry and dairy cattle and can impact multiple species.
HPAI (H5N1) outbreak detected in a Nebraska dairy herd, and update on commercial and backyard flocks across the USA
情報源 Nebraska Department of Agriculture (NDA). 2025年9月15日
Highly Pathogenic Avian Influenza Detected in Nebraska Dairy Herd