デング熱 米領サモア
ポワッサンウイルス 米国
○ デング熱 米領サモア
Summary
米領サモアでデング熱アウトブレイクが発生しており、2025年9月15日までに150例の感染が確認されている。ハワイ州検査機関で、1型および2型デングウイルスが同時に感染循環していることが判明した。
米領サモアでデング熱増加、9月15日時点で150例確認
Key findings
・保健当局 the American Samoa Department of Health によると、9月15日時点で150例のデング熱 laboratory-confirmed dengue cases が確認されており、8月末の報告から2倍以上の増加となっている。
・うち 89例が地域内感染例で、43例が輸入感染例である
・Laboratory testing by the Hawaii State Laboratory confirmed co-circulation of DENV-1 and DENV-2.
情報源 OCHA. ReliefWeb/Pacific Community (SPC). 2025年9月23日
Epidemic and emerging disease alerts in the Pacific as of 23 September 2025
American Samoa:
2025年7月8日、American Samoa はデング熱アウトブレイクへの対応として公衆衛生上の緊急事態を宣言し、9月15日までに150例 lab-confirmed cases が報告されている。9例が入院となったが、重症合併症やデング出血熱の症例は確認されていない。Hawaii State Laboratory により co-circulation of DENV-1 and DENV-2 が確認されている。
The red alert for DENV-1 and DENV-2 is maintained. – Source: DOH Update accessed on 23 September 2025.
○ ポワッサンウイルス 米国
Summary
Powassan virus は、 the deer tick (Ixodes scapularis) などのダニが媒介するまれな疾患で、北東部州と五大湖 the northeastern US and the Great Lakes region で発生がある。発熱、頭痛、意識混迷、けいれん、記憶喪失などの症状がみられ、重症神経疾患、死亡、長期後遺症などの問題につながることもある。治療薬やワクチンはないが、、ダニ忌避剤の使用、着衣、やぶに入らない、屋外活動後のダニのチェックなどの感染予防策が重要である。
イリノイ州初の、ヒトの重症ポワッサンウイルス感染例確認
Key findings
・イリノイ州初となる、住民1名のポワッサンウイルス病 its first-ever case of Powassan virus (POWV) disease が確認された。発症は9月23日以前である。
・曝露がイリノイ州内か州外かについての調査が続いている; human cases of Powassan virus have not been previously detected in Illinois.
・患者は重症であり、重症となる可能性のある POWV infection が示唆されている。
・Powassan virusはダニ black-legged (deer) ticks 媒介性疾患で、ヒト－ヒト感染はない。
・発熱、頭痛から脳炎、髄膜炎、けいれん、意識混濁まで症状は幅広く致死率は最大 10%.
情報源 Illinois Department of Public Health (IDPH). 23 Sep 2025
IDPH Reminds Illinois Residents to Take Precautions Against Tick Bites
Key Points for Media:
○ エボラウイルス病 コンゴ民主共和国
Summary
エボラウイルス病アウトブレイク an outbreak of Ebola virus disease in the Bulape health zone in Kasaï Province が宣言され、9月22日現在死亡33例を含む51例の感染が確認されていると、WHO-AFRO (in French) が明らかにした。首都 Kinshasa の研究所で9月3日に解析された検体で、アウトブレイクの原因がエボラウイルス病であることが確認され、遺伝学的解析により a new spillover event であることが確かめられた。
Bulape, DRC のエボラウイルス病アウトブレイク、迅速な対応とコミュニティの協力あるも課題残る：最新の症例数51例、死亡33例
Key findings
・Bulape のアウトブレイクに迅速な支援チーム派遣、機材・ワクチン供与。
・濃厚接触者追跡 daily follow-up は当初の19％から99％超。Bulape の約950人。
・新たな治療センター 34-bed Ebola Treatment Centre in Bulape が解説され、はじめての回復例退院。
・アウトブレイク宣言の数日後からワクチン接種が開始され、1000人以上が接種。
・アウトブレイク対応の課題は、the affected rural and semi-rural areas における、ヘルスケアインフラ不足、地域内の不十分な連携、治安。
情報源 Public Health Emergency Operations Center "COUSP-RDC", Ebola Virus Disease Situation Report, 23 Sep 2025
○● エムポックス セネガル、スペイン
セネガル
Summary
9月25日、Dakar において国内2例目のエムポックスが確認され、8月21日報告の1例目との関連がないことから、確認されていないコミュニティ内感染伝播への不安が拡がっている。
2例目のエムポックス Dakar で確認、8月の1例目との関連なし。コミュニティ内伝播懸念。
Key findings
・Dakar, Senega で A second case of mpox 確認と the Ministry of Health 発表。
・9月11日発症のセネガル人在住者で、同21日に Fann Hospital 病院に入院; 22 Sep 2025 に検査で確定。
・8月22日に報告された、8月19日に入国した外国人のセネガル初のエムポックスとの疫学的関連性なし。
スペイン: CLADE 1B、タンザニアから
Summary
マドリードで clade 1b によるエムポックスが確認された。この32歳男性は最近タンザニアに旅行しており、現在自宅で隔離されている。地元の病院で採取された検体が the National Center for Microbiology に送付され感染が確定診断された。The World Health Organization (WHO) は2024年8月に the clade 1b variant を、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に指定したが、その後解除されている。
● レジオネラ症 中国（香港）
Summary
新たなレジオネラ肺炎について保健当局から報告され、感染源が調査されている。
● 腎症候性出血熱 ロシア (UDMURT)
Summary
the Udmurt Republic において、腎症候性出血熱 Cases of hemorrhagic fever with renal syndrome (HFRS) が著しく増加している。ハイリスクの地域でラットの駆除が行われている。
● 肝炎 インド (JAMMU AND KASHMIR)
Summary
the Kulgam district のある村で、肝炎により1人が死亡、もう1人が入院となった。A型または E型肝炎が疑われている。
○ クリミア・コンゴ出血熱 イラク
Summary
1979年にはじめて報告されて以来、常在国となったイラクにおいてクリミア・コンゴ出血熱は公衆衛生上の懸念となっている。
南部 Dhi Qar Governorate のクリミア・コンゴ出血熱が100例超、死者11例：情報提供依頼
Key findings
・南部 Dhi Qar Governorate において、Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) cases が増加と報じられている。
・100例を超える確定例が報告され、公式数字では9月中旬から下旬に114例、死亡例は11－12例。
・ヒトと家畜（特にウシとヒツジ）が感染し、農村部の家畜の感染リスクや肉のサプライ中断などの経済的不安が拡がっている。
○● 炭疽 モンゴル
Summary
モンゴル国内の砂漠地帯を除く多くの地域に炭疽が常在し、感染のある家畜から感染することが多いヒトの皮膚炭疽が最も多い。1990年代半ばから動物、ヒトのいずれの炭疽も増加している。
Arkhangai 県で皮膚炭疽感染例確認
Key findings
・人獣共通感染症研究センター The Mongolia Aimag center for the study of zoonotic infections が9月23日、PCR 検査によりヒトの皮膚炭疽 a human case of cutaneous anthrax 我確認されたと明らかにした。
・患者は60頭以上のウシの処分にかかわっており、その後 the regional infectious diseases department に入院し隔離されている。
・患者の自宅エリア周辺は部分的検疫 a partial quarantine が実施されている。
Summary
ヒトの炭疽感染例1例が確認され、発生地域の検疫が行われている。土壌中の細菌による疾患で、感染のある動物や関連する産品との接触によりヒトに感染が拡がる。
○ 狂犬病 インドネシア
Summary
2025年、バリ島の特に観光地 South Kuta and Mengwi District などで狂犬病が増加している。ヒト及びイヌの感染が確認されており、複数の地点が "red zones" に指定されている。イヌの一斉ワクチン接種キャンペーンが行われている。
Mount Batukaru in Bali をハイキング中の15人のクライマーが狂犬病疑いの野犬に襲われるKey findings
・9月21日、Mount Batukaru in Tabanan Regency, Bali province 登山中の 15 hikers が狂犬病が疑われる野犬に襲われ、the Tabanan Regency Health Office などが創傷処置とワクチン接種、一部に抗狂犬病血清の治療を行った。
・問題のイヌは捕獲・殺処分され、狂犬病の検査が行われている。
・この山にはハイカーの食べ残しなどを求めて野犬が多く見られるが、Mount Batukaru においてこのような大勢が襲われた事例ははじめて。
○ 高病原性鳥インフルエンザ スペイン
Summary
HPAI (H5N1) continues to spread across multiple regions in Spain, with new outbreaks identified in both poultry farms and wild birds.
Detection of HPAI H5N1 in large laying farm in Olmedo, Valladolid, Spain
Key findings
・An outbreak of highly pathogenic avian influenza (HPAI) H5N1 was confirmed on a large laying hen farm in Olmedo, Valladolid, (Figure 1) housing approximately 760,000 birds.
○ ランピースキン病 フランス
Summary
As of 23 Sep 2025, France has reported 79 outbreaks of lumpy skin disease in cattle distributed in 15 municipalities across four departments.
Confirmed lumpy skin disease outbreak in Rhône department, France: Situation update, as of 23 Sep 2025
Key findings
As of 23 Sep 2025, there are 79 outbreaks of Lumpy Skin Disease in cattle across forty-seven farms in fifteen municipalities located in four departments in France (Haute-Savoie 44, Savoie 32, Ain 2, and Rhone 1), involving a total of 1,907 susceptible cattle, 135 confirmed cases in cattle including one fatality.
情報源 WOAH-WAHIS. 20 Sep 2025
France - Lumpy skin disease virus (Inf. with) - Follow up report 20
○● 新世界ウジバエ メキシコ
Summary
南北アメリカ地域では、新世界ウジバエによる蝿蛆症の再興 a resurgence of New World screwworm (Cochliomyia hominivorax) myiasis が認められ、北への感染拡大が懸念され家畜の動物衛生、地域バイオセキュリティへの脅威となっている。
メキシコ北部 Nuevo León, Northern Mexico で初めての蝿蛆症報告、米国との国境に近く拡大リスクのおそれ
Key findings
・Sabinas Hidalgo, Nuevo León, Mexico において生後8か月の子牛のラセンウジバエ感染例 A confirmed case of screwworm (Cochliomyia hominivorax) 確認。米国国境まで113km足らず。
・Minatitlán, Veracruz のウシで、100頭とともに Nuevo León の餌場に移動していたが感染は1頭のみ。
・メキシコ北部での感染確認ははじめてで、Monterrey とテキサス州 Laredo は主要商業ルートとなっている。
MEXICO: (NUEVO LEON, YUCATAN)
Summary
Screwworm cases have been reported in livestock and dogs in the Yucatan region of Mexico. In Nuevo León, Mexico, a case has been confirmed near the US border.
● 原因不明のポテトの病気 パラグアイ (PARAGUARI)
Summary
Farmers in Paraguay are experiencing a rapidly spreading disease affecting their potato crops and are criticizing the lack of support from government agricultural agencies.