エボラウイルス病 コンゴ民主共和国 WHO, Africa CDC
○ エボラウイルス病 コンゴ民主共和国
Summary
コンゴ民主共和国 the Democratic Republic of Congo (DRC) 保健当局が、医療従事者4人を含む28例の疑い例と15例の死亡が発生した Kasaï Province における、エボラウイルス病アウトブレイクを宣言したと、WHO-AFRO が明らかにした。発生が確認されたのは the Bulape and Mweka health zones in Kasaï Province で、発熱、嘔吐、下痢、出血などの症状のある患者および死者の調査が行われている。9月3日に国立研究所 the National Institute for Biomedical Research in the capital, Kinshasa において解析された検体で、アウトブレイクの原因がエボラウイルス病であると確定診断された。遺伝子解析から、新たな溢出イベント new spillover event であることが示唆されている。
Key Findings
・DRC が4日、Bulape Health Zone, Kasai Province における、同国内で16番目のエボラウイルス病アウトブレイクを宣言した。
・6例の患者からの検体（死亡例1例の頬粘膜と、5例の血液検体）について、国立研究所で確定診断及び遺伝子解析が行われた。
・EVD の診断: via point-of-care GeneXpert Ebola assay, the automated BioFire FilmArray System (Global Fever Panel), and real-time PCR with Altona RealStar Filovirus RT-PCR kit. EBOV PCR positive samples were then sequenced usingOxford Technologies nanopore sequencing device.
・系統発生の解析により、今回のアウトブレイクのウイルス the Ebola virus (EBOV) genome は an earlier strain (Ebola virus/H.sapiens-tc/COD/1976/Yambuku-Mayinga (GenBank accession number NC_002549.1)) rather than more recent sequences from 2007 Luebo or 2008/2009 Mweka EVD outbreaks に近い関係にあり、new spillover event from an unknown reservoir host が示唆された。
・アウトブレイクの発端となった患者は、高熱と繰り返す嘔吐の症状のため入院となった34歳の妊娠女性と確認された。
情報源 virological 2025年9月
The 16th Ebola Virus Disease Outbreak in Bulape Health Zone, Kasai, Democratic Republic of the Congo: A new spillover event from an unknown reservoir host
Background
Methods
Results and Discussion
情報源 Africa CDC 2025年9月4日
New Ebola Outbreak Confirmed in the Democratic Republic of Congo
コンゴ民主共和国は its 16th outbreak of Ebola virus disease (EVD), confirmed in Kasai Province を明らかにした。
発端となった患者は、高熱と繰り返す嘔吐の症状のため先月入院した34歳の妊娠女性である。
本日までに15例の死亡が報告され、across two health zones (Bulape and Mweka) in Kasai province において28例の疑い例が確認されている。このうち4例は医療従事者である。検査機関において the Zaire strain of Ebola であることが確認されている。
Kasai province で最後に an Ebola outbreak が報告されたのは 2008年で、ほか Equateur province で 2022年に発生している。
●○ コレラ チャド、トルコ、インド、ネパール
チャド (OUADDAI)
Summary
国内東部のコレラ・アウトブレイクを検証する会議が開かれた。
トルコ
Summary
ロシアの疫学専門家が、トルコ政府当局が旅行者のコレラが疑われるアウトブレイクを軽視していることへの懸念を表した。沿岸地域が同菌の感染拡大にとって好適条件であり、コレラは軽症から重症に及ぶこともあると指摘している。
インド
Summary
the Astore District Health Officer 保健当局者によると、the Astore district of Gilgit-Baltistan においてこの4日間に750人が胃腸炎により入院し、コレラが疑われている。この地域は深刻な洪水被害のあった地域である。
750 people hospitalized over a four-day period in the Astore district of Gilgit-Baltistan due to suspected cholera, amid flood-driven water crisis
ネパール
Summary
2025年8月22日、インド国境に近い南部 Birgunj, located in southern Nepal の医療施設において、急性水様下痢の患者が突如として増加した。8月22日には累積で1000人超が確認されており、近隣の Pokhariya 市にも波及している。一部の検体でコレラ菌が確認されている。
情報源 WHO 2025年8月29日
Nepal cholera outbreak spreads to Pokhariya; source remains unknown; 1029 cumulative suspected cases as of Sept 4, 2025
Cholera outbreak in Birgunj: WHO supporting scaling up response to save lives
WHO の担当者は、発生地域のマッピング GPS mapping of affected households in Birgunj, Parsa district, Nepal 等を行い、コレラ・アウトブレイク the cholera outbreak in Birgunj Metropolitan City in Madhesh Province の速やかな封じ込めのための a multi-pronged response を拡大している。
8月22日、南部の国境の町 southern Nepal near the border town of Raxaul 近郊の Birguj 地域内医療施設 health facilities から急性水様下痢 cases of acute watery diarrhea の症例の急増が報告された。その後8月28日の時点で600例超が記録され、187例 active cases が確認されている。検査機関において一部の検体でコレラ菌 the presence of Vibrio cholerae が確認されていた。近隣の地域 nearby municipalities でも少数の感染例が報告されている。
情報源 EDCD 2025年9月4日
● 原因不明の疾患 ナイジェリア (ADAMAWA)
Summary
Adamawa のコミュニティで原因不明の疾患アウトブレイクが発生し、有痛性潰瘍と筋肉の損傷 painful sores and flesh decay を生じている。労働に影響している。
● 日本脳炎 ネパール (GANDAKI)
Summary
Nawalpur において、この1ヶ月間に3人が日本脳炎により死亡した。蚊族が媒介するこの疾患は脳に波及し死亡することがある。
● サルモネラ感染症 米国
Summary
Metabolic Meals 社の宅配ミールが、複数の州におけるサルモネラ感染症アウトブレイクに関連している。公衆衛生当局の調査が行われており、同食品を摂取しないよう呼びかけられている。同社は配送したミールを回収し、調査に協力している。
● エムポックス アフリカ、タイ
アフリカ
Summary
2024年にはじまったエムポックス・アウトブレイクにより、多数の死者が発生している。新規の感染例は減少している。アフリカ CDC は、検査件数を増やすなどの対応策の改善がみられるとしている。
タイ
Summary
2025年5月以降、タイのエムポックス感染の増加が続いている。保健当局は、毎週新たな感染例が確認され、大部分が性的接触に関係すると報告している。WHO は世界中で感染の発生が続いており、人気の渡航先であるタイには輸入感染例の発生が予想されるとしている。
● ビブリオ・バルニフィカス 米国 (FLORIDA)
Summary
肉食バクテリアのビブリオ・バルニフィカスの新たな感染例が、フロリダ州で報告されている。この菌は水温の高い汽水に存在し、汚染のあるシーフードの摂取や開放創の水への暴露によりヒトは感染する。感染により急速な組織損傷を生じ、四肢切断が必要となったり死亡したりする恐れがある。
● Q熱 ロシア (ROSTOV)
Summary
地元の店で購入した生ミルクを摂取した Volgodonsk の住民1名が Q熱に感染した。このミルクは検査の結果、Q熱の原因菌である coxiellosis が陽性となった。
● 胃腸炎 モンテネグロ (BUDVA)
Summary
Budva のホテルに滞在中のクロアチアの高校生のグループが食中毒の症状を報告した。様々な疾患の症状が報告されている。ホテルのキッチンが閉鎖され調査されている。状況は終息しつつあり、医療機関を受診する生徒は減ってきている。
○ レジオネラ症 米国
Summary
This event folder lists outbreaks of Legionnaires' disease across the United States.
Key Findings
アイオワ州保健当局 Iowa Department of Health and Human Services により、north central Marshalltown において21例のレジオネラ肺炎 cases of Legionnaires' disease が確認され、持病のある高齢者1名の死亡が報告されている。
north central Marshalltown の住民、勤務、または滞在のあった患者の、地理的なクラスターである。水公社（？）Marshalltown Water Works の飲料水の30種類の監視対象病原体 monitored pathogens は検査の結果陰性であり、保健当局が感染源の調査を続けている。
情報源 Iowa Health & Human Services
Iowa HHS Announces Investigation of Legionnaires’ Disease Cluster in Marshalltown
Thursday, September 4, 2025
北中部 north central Marshalltown の住民らの間のレジオネラ肺炎クラスターについて、アイオワ州保健当局 The Iowa Department of Health and Human Services (Iowa HHS) が調査を行っている。21例がレジオネラ肺炎と診断され、持病のある高齢者1名が死亡した。
レジオネラ肺炎はレジオネラ菌を原因とし、水温の高い水中に存在し、典型的には冷却塔、温水浴槽、噴水からのミストなどの、エアロゾル化した飛沫の吸入により感染が拡大する。レジオネラ肺炎は伝染病ではなく、レジオネラ菌に暴露しても健康な人々の殆どは発症しない。
早期に診断すれば抗生物質により十分治療が可能である。50歳以上、喫煙者、慢性肺疾患の患者は、インフルエンザ様または呼吸器の症状がある場合はただちに医療機関を受診することを勧めると、当局の医師 Medical Director at Iowa HHS は説明している。
○ ペスト モンゴル
Summary
菌が常在するモンゴルにおいて、ペストは現在も公衆衛生上のリスクであり、過去10年間に20例を超えるヒトの感染疑い例と9例の死亡が報告されている。感染の多くが、マーモットなどの感染したげっ歯類との濃厚接触が関連している。
Key Findings
・モンゴル最北部のフブスグル県 province of Khuvsgul で腺ペストの1例が確認されたと、the country's National Center for Zoonotic Diseases (NCZD) が報告した。重症例で、集中治療が行われている。
○ B型肝炎 米国
Summary
1か所の介護施設の入居者2名の間の、血糖測定機器の共有による B型肝炎感染伝播について報告された。2008−2019年の間に、米国内の長期滞在施設において15件の同様のアウトブレイクが報告されている。各患者ごとの血糖測定器を使用することが推奨されている。
情報源 MMWR 2025年8月7日
Notes from the Field: Hepatitis B Virus Transmission Associated with Assisted Blood Glucose Monitoring in a Skilled Nursing Facility — North Carolina, 2024
Summary
What is added by this report?
During 2008–2019 の期間に15件の、血糖測定に関連する長期療養施設内での B型肝炎アウトブレイク hepatitis B outbreaks が報告されている。
CDC recommends assigning blood glucose monitors (glucometers) to one person.
What is added by this report?
Hepatitis B virus (HBV) が介護施設 a skilled nursing facility 内の入居者2名の間で感染伝播し、共有された同じ血糖測定装置による血糖測定が行われていた。
○ ウエストナイルウイルス イタリア
Summary
2025年9月4日の時点で、イタリアから502例のウエストナイルウイルス感染例が報告されており、このうち226例が神経侵襲型の患者で、33例が死亡した。ウイルスは現在も広い範囲で感染循環しており、Lazio and Campania 両州がもっとも多く、感染伝播のピークは例年8月後半から9月までの期間である。
Key Findings
・2025年9月3日、イタリカ国内で確認されたヒトのウエストナイルウイルス感染例は502例（前回報告では430例）で、226例が神経侵襲型で、40例が献血時に判明した無症候例であり、226例は発熱患者（1例はケニアからの輸入感染例）。33例の死亡が報告されており、致死率は14.6%となる (20% in 2018, 14% in 2024)。
・現在最も患者が多い地域は、中部 the central Lazio region (including the capital Rome、ローマ) と南部 the southern Campania region (including Naples、ナポリ) である。
・新たに、トスカーナ州などの地域からも報告されている。
○ 高病原性鳥インフルエンザ 米国
Summary
キャットフード RAWR Raw Cat Food Chicken Eats を食べたサンフランシスコの1匹のネコが、H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染し処分された。農務省によりネコのウイルス感染が、食品医薬品局によりキャットフード内の H5N1 ウイルスが確認された。ヒトの感染例は報告されていないが、以前にも同じウイルスによるペットフードの汚染が確認されており、ヒトへの暴露の可能性を低減するため、キャットフードの取り扱いについて注意が呼びかけられている。
情報源 Food Safety News 2025年9月3日
Following up on a case of H5N1 Highly Pathogenic Avian Influenza in a cat, testing performed by the Food and Drug Administration has shown a link between the strain of H5N1 virus detected in the cat and in certain lots of RAWR Raw Cat Food Chicken Eats, a product the cat consumed before falling ill.